管理栄養士で節約美容料理研究家の金子あきこです。
こちらがその「SDGs」の17の目標です。
この目標の一つに「2.飢餓をゼロに」があります。現状、多くの国の多くの人々が十分に食べ物を食べることができますが、そうでない国や地域の方もまだまだ多くあります。
「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」は食の生産から流通、消費までの一連の流れには長い年月をかけてできた石油などの化石燃料に大きく依存しています。
使い続けていてはいつか枯渇してしまいますし、燃やすことで二酸化炭素が発生し地球温暖化にもつながります。
今日は「SDGs」の目標達成に向けて、食を中心に、私たちができることを考えていきたいと思います。
地域の野菜を食べる
遠くの国で採れた野菜は、飛行機や船などで輸送され、長い距離を移動して私たちの食卓にやってきます。
ということは、私たちの口に入るまでの距離が長いほど、輸送によって石油など多くのエネルギーを使うことになります。
しかし皆様の住んでいる地域で採れた野菜はどうでしょう。畑から食卓までの移動距離が短くなるため余計なエネルギーも必要ありませんよね。
近頃、スーパーマーケットでも農家さんからの直売をされている店がありますから、ぜひそういったところも利用して欲しいなと思います。
形の悪い野菜も並ぶこともありますが、私たちが購入すれば廃棄も減りますよね。
お米を食べる
日本人になじみの深いお米ですが、食の欧米化からパンや麺類に移行し、お米の摂取量が年々減っています。1日1度もごはんを食べないという方もいらっしゃるほどです。
また農家さんの高齢化に伴い、田んぼがあっても作付けをしていないところも増えてます。
食用の米の食料自給率は100%ですが、パンなどの小麦は数%です。小麦はほとんどが輸入ですから沢山のエネルギーを使い日本に届いているのです。
最近では米粉から作られる米粉パンも広がっています。お米から米油も作れます。
お米を食べる人がどんどん増えればお米を作る農家さんもきっと増えるでしょうし、お米からできているパンなどの流通が増えれば、輸送エネルギーも減っていきそうですよね。
食材を捨てない
日本では年間2550万トン(※)の食品が廃棄されています。このうちまだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」は612万トン(※)です。
少しでも廃棄量を減らすために私たちは何をすればよいのでしょうか。
「冷蔵庫の中で食べ物を傷ませてしまいがち」という方は、廃棄してしまっている食品がありますよね?まず、作る料理を決めてから買い物へ行き、目的の食材と量を購入しましょう。
とはいってもお買い得品などついつい買いすぎてしまうこともありますよね。そんな時は冷凍庫を活用しましょう。
肉類であれば食べやすいサイズに切ってラップに包み冷凍します。ハムやベーコンなども1枚ずつラップに包んで冷凍できます。
また胡瓜や茄子などの野菜は浅漬けや塩や昆布と漬けたり、トマトは湯むきしてトマトソースにして冷凍するのがおすすめです。
そして結構残りやすいのは青ねぎやパセリなどの薬味。使い切れなくて萎れてしまうことありませんか?
青ねぎは小口切りにしてアルミのバットにのせて一度冷凍し、その後少しほぐしてジッパー付きの袋に入れて冷凍庫で保管します。お味噌汁などにいつでも使えてとても便利です。
パセリも新鮮なうちに粗みじん切りにしてジッパー付きの袋に入れて、冷凍させましょう。スープや卵料理などにいつでも使えますよ。
リメイクレシピで廃棄を減らす
「作りすぎて食べきれない」という場合は小分けにして冷凍し、冷凍が難しいものは、次の日にリメイクすることをおすすめします。
肉野菜炒めが残ったら、洋風や中華系のスープに加える。ラタトゥイユが残ったらだし汁と味噌と合わせ、トマト味噌汁にするととても美味しくいただけます。
青菜のお浸しが残ったら卵とじに加える。青菜でまた別物の色味としてプラスするなど便利に使えます。
また外食をされるときはたくさん注文しすぎて残すことのないようにしましょう。食べきれなければ容赦無く廃棄されてしまいます。「外食の際は食べきれる量だけ注文する」は原則です。
いかがでしたでしょうか。私たち一人ひとりの心がけが、「SDGs」の課題解決につながっていくことでしょう。
・※…農林水産省及び環境省「平成29年度推計」
・食の視点から考えるSDGs
https://worldfoodday-japan.net/sdgs/
・消費者庁HP「食品ロスについて学ぶ」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/education/
・内閣府HP「高齢化の状況」
https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2018/html/zenbun/s1_1_2.html
Aricofood株式会社代表取締役 管理栄養士。レシピ開発、セミナー、コラム執筆、メディア出演等。40代からのダイエットサポート、セッションなど女性の美に特化し行っている。著書に「ショウガ甘酒食べる健康法」(日本文芸社)「おなかぺったんこ腸筋レシピ」(リピックブック)。