管理栄養士で節約美容料理研究家の金子あきこです。
和食は日本の伝統的な食文化です。
「飯・汁・おかず・漬物」の組み合わせは、800年以上続いている基本形です。
米や野菜類、植物性たんぱく質である大豆などを食べていました。
おかずの数は今と比べて少ないですが、日常的な食事の摂取カロリーは近代とさほど変わりません。
栄養のバランス面からすると良いとは言えませんが、ハレの食事の時は魚介類も取り入れ、メリハリをつけて食事を楽しんでいたようです。
今日は長い間受け継がれてきた和食が、海外の人から注目されている理由を見ていきたいと思います。
和食は旨味が豊富にある
和食にはだしが使われ旨味がしっかり感じられる食です。
かつお節、昆布、あごだし、干椎茸、帆立などでだしを取ると塩などの調味料を控えることができます。
塩分が抑えられれば体にも良いですよね。そしてだしの種類も豊富なため色々なバリエーションも楽しめます。
海外では肉から取った鶏ガラスープやブイヨンなどもありますが、脂質の多い動物性の脂が入っていることを考えると和食のだし汁の方がヘルシーです。
和食は発酵調味料が多いことでも味のバリエーションが広がります。
味噌、醤油、酢、みりん、酒、甘酒など発酵して作られる調味料は旨味もとてもあります。
大豆や米から作られる植物性のため脂質が少なくヘルシーです。料理に使うことで味に深みや風味が増し、味わい深くなります。
海外では動物性の食品を一切口にしないビーガン志向の方に非常に人気が高いです。
味噌と豆乳でスープを作る、野菜寿司にするなど楽しみ方も色々あります。ビーガンの方は、はちみつも口にしないため、甘酒が代用できるんだとか。
様々な食志向の方に和食が受け入れられることは日本人として嬉しいですよね。
健康志向派一押し!バランスのよい組み合わせ
800年以上続いている一汁二菜や一汁三菜食は、和食の基本形ともいえます。
ごはんを中心に、主菜の肉や魚、卵などの動物性食品のメニューと、副菜には数種類の野菜や豆類、きのこ、海藻など素材が加わり、野菜類をたっぷり加えた汁はだしの旨味もしっかり感じられ、結果、栄養バランスが良い組み合わせになります。
野菜や発酵食品を取り入れることで自然と腸内環境が整う食事になることもメリットです。
和食は環境にも優しい
牛や鶏、豚などの肉を口にしていなかった昔の和食。
これをビーガン的にタイプ別にすると、肉は食べず、魚、卵、乳を食べるタイプを「ペスコ・ベジタリアン」と呼ぶそうです。
畜産は広大な土地を必要とします。土地を作るために森林を伐採し、その家畜が食べるエサには農作物が沢山使われ、さらに温室効果ガスが上昇するそうです。
環境のことを考え和食を取り入れ「ペスコ・ベジタリアン」になる方もいらっしゃるそうです。
決してお肉を食べてはいけないということではありません。
和食はバランスが大切ということです。
米や野菜、大豆などの豆製品、肉、魚、乳製品そして発酵調味料などの組み合わせることで体の健康が保たれ、環境にも優しい食事になりますね。
いかがでしたでしょうか。
改めて和食の基本形である一汁二菜、一汁三菜から意識して取り入れると私たちの健康度が高まるかもしれませんね。
<参考文献>
・日本の食文化「和食」の継承と食育(アイ・ケイ コーポレーション)
・日本食品標準成分表2015年版(七訂)(女子栄養大学出版部)
Aricofood株式会社代表取締役 管理栄養士。レシピ開発、セミナー、コラム執筆、メディア出演等。40代からのダイエットサポート、セッションなど女性の美に特化し行っている。著書に「ショウガ甘酒食べる健康法」(日本文芸社)「おなかぺったんこ腸筋レシピ」(リピックブック)。