約1300年の歴史を誇る古都、奈良県。数多くの国宝・重要文化財が残されており、豊かな自然と日本の歩みを感じることができる、とても素敵な場所です。

 

 

そんなここ、奈良県において初のワイナリー設立に奮闘する方がいます。

 

木谷ワインをつくる木谷一登さんです。

 

▲木谷一登さん。2018年からワイン用ぶどう農家に転身。大阪での修行を経て、地元・奈良県でワイン用ぶどうの栽培を行っている

 

そんな木谷さんに、奈良県にこだわりぶどう栽培を続けておられる理由、そしてこれからの思いについてお聞きしました。

 

初のワイナリー設立。奈良で挑戦する理由とは

ーー奈良県はぶどう栽培に適した環境なんでしょうか?

 

木谷さん(以下、木谷):結論から言うと、奈良県の土地はワインにとって適地適作ではありません。奈良県は、夏の夜、気温が下がりにくいからです。その分しっかりと手間をかけ、試行錯誤をしながら適した品種を探しています。

 

ぶどうの品質は、品種・原産地・その年の気候などの自然条件が大きく影響します。

 

これらによってぶどうのポリフェノールやアミノ酸含有量が変わり、味・香りに差を生み出すのです。また、ぶどうの栽培方法や熟成方法によっても味わいは大きく変化するため、ぶどうはとても繊細な果物といえます。

 

▲ぶどう作りに適した自然環境は、雨量が少なく水はけの良いやせた土壌。また、昼夜の寒暖差がはっきりしており、年平均気温が1016℃と涼しい気候が適している。

 

ーー奈良県で作ることにこだわる理由とは?

 

木谷:1番は生まれ育った地元・奈良県を盛り上げたいという気持ちです。

 

この思いは、「木谷ワイン」のブランドコンセプト、「奈良で生まれたぶどうを奈良でワインににも表しています。

 

先程申しましたとおり、ワインはその原産地やその年の気候条件が色濃く反映されます。そこで、生まれ育った奈良の風土をワインという形で表現し、奈良を愛する人たちに味わってほしいと考え、ワイナリー設立へ歩み始めました。

 

たとえ難しい挑戦だとしても、”奈良県初の試み“というブランドにも繋がり、より多くの人達に知ってもらえるのではないかと考えたのです。

 

ぶどう栽培だけじゃない。木谷さんの挑戦とは

 

ワインの名産地、長野や山梨などのように広大な土地の確保が難しい奈良県。その為、木谷さんはぶどうの収穫量を上げるために点在する8箇所の畑を管理しています。

 

そしてぶどう農家としての活動だけではなく、地元・奈良県をワインで盛り上げる2つの事業に力を注いでいます。

 

高齢農家さんの支援〜放置農地の再利用〜

農地を所有しているものの、生食用のぶどうを栽培することが難しくなった高齢農家さん。木谷さんは、そんな人達にワイン用ぶどうを栽培してもらい、買い取る活動を行っています。  

 

ワイン用ぶどうは、種を抜く作業などの手間が少なく、生食用よりも比較的楽に栽培できるそうです。

 

地元ぶどう農家さんとの連携〜規格外ぶどうの救出〜

味は変わらないが、形が悪く売れない規格外のぶどう。通常、廃棄されるこれらを買い取り、ワインへ加工する活動をしています。

 

これらの活動はワイン用ぶどうの確保と共に、新たな収入源が生まれ、地元ぶどう農家さんの手助けにもなっています。

 

再来年までにワイナリー完成を目指す

 

ワインの品種はぶどうそのもの。

 

各農家さんから集めたワイン用ぶどうは、混ぜずに単品で醸造し、販売しています各農家さんによる味比べを楽しむこともできますね。

 

現在は近隣施設を間借りし、ワインの醸造を行う木谷さん。時間や資金・量などに縛られず、今以上に自分の思い描く形で醸造できるようになるため、奈良県初のワイナリー設立を目指しているそうです。

 

▲初のワイナリーは奈良市内に設立予定です

 

今回の取材を通し、ただ単にワイナリー設立を目指すだけでなく「奈良県全体を盛り上げていきたい」そんな木谷さんの情熱を強く感じることができました。

 

2020年度ワインの販売は、11月以降を予定

▲2020年9月、木谷さんは雑誌Winartにて、『日本の造り手 100』の若手14人の中にも選出

 

一筋縄ではいかない、とても難しい挑戦であるにもかかわらず、木谷さんはいつも明るく、前向きに歩み続けておられます。そんな姿に感銘を受け、筆者自身も大きな刺激を得ることができました。

 

今後の更なるご活躍がとても楽しみです。

 

木谷さんが作る、ワイン用ぶどうの収穫・仕込みに関する記事は以下からご覧ください。
【ワイン用ぶどうの収穫・仕込み編】木谷ワインができるまで

 

2020年度のぶどうで作るワインの販売は、11月以降を予定しているそうです。販売が開始されたらぜひ味わってみて下さいね。

 


 参考文献

・奈良県観光[公式サイト]

http://yamatoji.nara-kankou.or.jp/welcome/

・読めば身につく!これが最後のワイン入門 著:山本昭彦

・木谷ワイン
https://narawine.com/

 

 

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