お弁当の詰め方のコツ1 盛りつけ用の箸を用意する
実際に詰めていく前に、道具の説明をしましょう。
お弁当を詰めていくとき、先端の細い盛りつけ用のお箸があると、繊細なおかずの移動もスムーズで、隙間にもすっと入るのでとても便利です。
“盛りつけ箸”“盛箸”“取り箸”などという名前で売られています。お弁当を詰めるときだけでなく、お皿に料理を盛るときにも役立ちますよ。
また、もうひとつ必ず準備していただきたいのが、消毒と手袋です。
手袋の方は、絶対におかずに触らないようであれば必要ありませんが、手指や箸、お弁当箱を消毒してから詰めはじめましょう。暑い時期が終わっても食中毒の危険は引き続きあります。おかずがしっかり冷めてから詰めるのもポイントです。
お弁当の詰め方のコツ2 詰める前におかずを全部並べる
お弁当を詰めるとき、いちばんにしなくてはならないことは、「それぞれのおかずのサイズを確認する」ことです。
サイズ感がわからなければ隙間が空いてしまったり、せっかく作ったおかずが入らなかった! ということになってしまったりするので、まずはトレイなどに詰めたいおかずを並べてみましょう。
今回準備したのは、(左後ろから時計回りに)ラタトゥイユ、イワシのげんこつ揚げ、茹でとうもろこし、マゼンタポテサラ(別記事参照)、ゴボウの醤油煮、にんじんのクミンラペです。
マゼンタポテサラの作り方はこちら。
ラタトゥイユのように汁気があるものは、詰めるときにしっかり水気を切ります。ポテトサラダは形が崩れやすいので、今回はカップに入れてみました。
ちなみに、おかずは味つけのバランスも考えると、食べたときによりおいしく感じられます。
いちばんわかりやすいのは、「全部がしょっぱい味にならないこと」。
ごはんと一緒に食べるからといって、しょっぱい系の味ばかりにしてしまうと、お弁当としていただいたときにとても単調でつまらなくなってしまうんですよね。
今回はラタトゥイユにレモンを絞り、キャロットラペにははちみつとバルサミコ酢を入れて甘酸っぱい味に仕上げています。とうもろこしも甘みのあるデザート的存在です。
こんなふうに酸味や甘みのあるおかずを意識して入れてみましょう。
煮豆や一口でいただける和菓子など、それだけ食べるのは甘みが強いかな、と思えるものも、お弁当の脇に入っているとホッとした存在になりますよ。
お弁当の詰め方のコツ3 ごはんをどのくらい入れるか考える
お弁当箱を用意したら、ごはんとおかずの比率を考えてみましょう。
分量は好みですが、ちょっとおかずの方が多いかな、というくらいのバランスにすると、ごはんとおかずをじょうずに最後までいただけます。
また、お弁当箱は断然四角がおすすめです!!
丸いお弁当箱もかわいいので持ってはいますが、おかずの内容によってはうまく詰めることができなかったり、隙間が空いてしまったり、どこを正面にしたらよいかわからなかったり……。なかなか難しいので、これから買う方はぜひ四角いものを選んでみてください。
お弁当の詰め方のコツ4 形が決まっているおかずから入れる
いちばんに入れるのは「サイズが決まってしまっているおかず」です。
ハンバーグやフライ、カップに入った冷凍食品など、どうしても形が崩せないものを先に入れてしまわないと、最後に入らなくなってしまうことも。今回はポテトサラダとイワシのゲンコツ揚げを優先して入れていきます。
ポテトサラダとイワシを入れ、隙間にゴボウを入れてとうもろこしを並べました。隙間はあとこれだけ!!
お弁当の詰め方のコツ5 形が動かせるおかずを隙間に詰める
隙間にラタトゥイユを入れていきます。
水気が漏れないようシートを敷きました。あのしんなりしてしまった葉っぱが苦手なのでシートにしていますが、大葉やレタスなどでも構いません。
カップやシートはゴミになってしまうので、最終的に食べられる葉ものの方がエコロジーなのかどうなのか……という悩みは尽きません。
ラタトゥイユを詰めたら、とうもろこしの方にぎゅっと押しやってキャロットラペを入れます。
こんなふうにいかようにしても詰められる「形の変えられるおかず」が2種ほどあると、とっても便利です。
よく隙間を埋めるのに使われるミニトマトは、彩りを添えるのにはいいのですが、丸いし形が決まってしまっているので、実はお弁当の添えものとしてはとても扱いづらい食材なんです。
なんとなくいつも隙間が空いてしまう……と困っている方は、青菜のお浸しやなます、スクランブルエッグ、五目煮などを準備するとよいですよ。
お出かけも気持ちよくなってくるアウトドアシーズン。
お弁当を持って近くの公園に出かけるだけでも、いい一日になりそうですよね。
お弁当用としておかずを全部作るのは大変ですが、夕食のおかずを少し多めに作ったり冷凍のものを活用したり、気軽にお弁当ライフを楽しんでくださいね。
食のライター・料理家。
書籍や雑誌、webなどで執筆と料理の仕事をしている。アウトドア好きが高じて『メスティンBOOK』(山と渓谷社)、『キャンプでしたい100のこと』(西東社)でアウトドア料理のレシピ監修も行う。『こねこのコットン チアーカフェストーリー』(学研プラス・7/6発売)では、児童向け小説の執筆と、おはなしの中に登場するレシピの開発をしている。5歳と13歳の母。