からしなとは

 

からしなはアブラナ科アブラナ属に分類される葉野菜です。黒とうがらしとあぶら菜の自然交雑で生まれた品種で、日本に伝来した歴史は古く、江戸時代の文献にも登場しています。

 

種類は多岐にわたり、およそ30種類あるといわれており、主に「葉からしな類」、「高菜類」、「多肉性高菜類」、「茎用高菜類」、「根からしな類」などに分類。

 

・葉からしな類(からしな、阿蘇高菜など)

・高菜類(かつお菜、大葉高菜など)

・多肉性高菜類(三池高菜、山形青菜、結球性高菜など)

・茎用高菜類(ザーサイなど)

・根からしな類

 

からしなの種類

 

西洋からしな類は、加賀野菜の二塚からしななどの日本の地方品種のからしなに比べると、比較的辛みがマイルドで食べやすいと好まれています。少しピリッとする辛みが食欲をそそる風味で人気です。

 

加熱すると辛みが和らぐからしなですが、西洋からしな類は生食されることが多く、サラダでも使用します。

 

日本の地方品種のからしなは辛みが強いものが多く、ぴりっとした刺激のある舌触りが苦手な方は、少し湯がいてから食べるのがおすすめです。

 

先述した通り、加熱調理することで辛みが和らぎ、からしながもつ素朴な旨味を感じることができます。

 

辛みがマイルドな種類

・さがみグリーン(マイルドな辛み。浅漬けで食べることが多い)

・パーマグリーン(ほどよい辛み。サラダで食べることも多い)

・コーラルリーフフェザー(マイルドな辛み。サラダで食べることが多い)

・レッドリボン(さっぱりとした辛み。サラダや炒め物として食べることが多い)

 

辛みが強い種類

・葉からしな(辛みが強い。漬物、煮物、お浸しなどがおすすめ)

・ワサビナ、マスタード(独特の風味。辛みと苦味がある。煮物で食べることが多い)

・セリフォン(ぴりっとした辛みで人気。葉が柔らかく漬物として食べることが多い)

・黄からしな(辛みがひときわ強い。漬物として食べることが多い)

 

からしなの仲間たち

▲からしなの漬物

 

大きな葉を漬物として食べる高菜と、からしを採取し、とう菜として食べるからしなは同じ種類なのか、はたまた別種なのでしょうか。

 

からしなに関する文献によると、からしなと高菜は同種として間違いがないようです。植物学的には、『ブラッシカ・ユンケア』と呼ぶ一つの種の変種同士と紹介されているからしなと高菜。

 

平安時代の資料には「タカナ」と呼ばれる野菜があったとのことなので、からしなも高菜もとても長い歴史をもつ野菜といえます。

 

からしなの変種とされる野菜

 

・かつお菜

 

高菜の在来種です。小型でアクが少ない、ちりめん状の葉は柔らかく、煮るとかつお節の代わりになります。博多地方では雑煮に不可欠な野菜です。

 

・大葉高菜

 

高菜種のなかでもっとも大型です。肉厚でかたいため、茹でてお浸しにするか、漬物にするための品種。

 

・高菜(変化種)など

・青菜(せいさい)

・紫高菜

・三池高菜

・山潮菜

・阿蘇高菜

・久住高菜

・芭蕉菜

・葉芥子菜

 

中国のタカナ類

・結球高菜

・瘤(こぶ)高菜

・セリフォン

・大芯菜

・根芥子

・ザーサイ(ざあつぁぃ)

 

からしなの特徴

 

葉や種子に特有の辛みがあります。

 

からしなの鮮度、美味しいからしなの見極め方

 

・葉の色の濃さ

・葉のみずみずしさ

・特に葉の先をチェックします。枯れたり、しおれたりしていないものがおすすめです。

・茎の下のほうまで小さく柔らかな葉がついているもの

・柔らかな葉が枯れていないのも鮮度の証です。

・葉の長さが20~30cmくらいのものが柔らかい

 

これらの部分をチェックすることで、新鮮で美味しいからしなを見極めることができるでしょう。

からしなのレシピを紹介

じゃことからしなのお浸し

 

かつお菜を使用しても美味しいです。

 

用意するもの

 

・からしな(かつおな) お好みで

・じゃこ お好みで

・水 少々

・砂糖 小さじ1杯程度

・しょうゆ 大さじ2杯程度

 

強い辛みが好みの方はとうがらしを適量入れてもOK。

 

作り方

 

材料を鍋に投入し、5~6分煮ます。

 

簡単で少しピリ辛の美味しいお浸しに仕上がります。

 

まとめ

今回の記事では、変化種が多く、見た目も多様なからしなの魅力について紹介しました。ピリっとした辛みが味を引き締めてくれるからしなを上手に利用してみてください。

 

『日本の野菜の分化史事典』(八坂書房)

 

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