そうめんには「手延べ」と「機械式」がある!
はじめに、そうめんの製麺方法をご紹介しましょう。そうめんには「手延べ」と書いてあるものと、そうでない「機械式」のものがあります。
捏ねた生地を帯状に細くカットしていくのが「機械式」。均一な太さで作れて、手延べ式よりも手間がかからないので少しお安く手に入れることができます。
もう一方の「手延べ」は古くから続く製法で、生地をよりながら細く伸ばしてつくります。
一本一本の太さにバラつきが出ることもありますが、コシのある歯ごたえが楽しめます。
どちらがおいしいというのはありませんが、手延べの方はメーカーによって個性があるので、好みのものを見つける楽しみがありますよ。
それではそうめんを茹でる準備をはじめましょう。
麺を整えるのに必要なのは「タコ糸」
必要なのはこの「タコ糸」。特別細いものでなくても、100円ショップで購入できるもので十分です。
そうめんの紙テープを取る前に、このタコ糸でそうめんの端を縛っていきます。
こんなふうに、そうめんの端をタコ糸で固結びしていきます。茹でたとき麺がバラバラになってしまわないためです。きゅっとしっかり結びましょう。
失敗を防ぐコツは、多すぎるくらいたっぷりのお湯で茹でること
縛ることができたら、お鍋にたっぷりのお湯を沸かしましょう。
麺がくっつかないようおいしく茹でるコツは、お湯をたくさん沸かすこと。
お湯の中でそうめんがくるくるまわって自由に泳げるくらいの量で、さっと茹でます。
赤い紙テープを剥がしたら、タコ糸をつけたままお鍋に入れましょう。
麺を入れたらすぐに箸で麺をそっとほぐし、麺同士がくっついてしまわないようにします。
縛っているキワまで茹でられるよう、余裕があったら縛った部分を箸で持って、お湯の中で少し振りましょう。
ちなみに家族分を茹でるときは、一度にぜんぶ茹でてしまおうとせず、二度くらいに分けるといいですよ。
お湯が少ないと、麺がどうしてもくっついて硬くなってしまうんです。
茹で上がったら急いで水洗い
パッケージにある茹で時間通りに茹でたら、冷水にとってよくもみ洗いします。
そうめんの表面についたでんぷんを取り、茹だった麺を引き締める効果があり、つるんとしてコシのある食感になるんですよ。
しっかり洗えたら、少し水分を拭うためにしごいてまな板に並べ、タコ糸で縛っていた部分を包丁で切り落としましょう。
切った部分は麺がくっついてしまっているので、そうめんとしては食べられませんが、タコ糸をほどいてお味噌汁に入れたり素揚げしたりすると、おいしくいただけます。
お味噌汁に入れたものはちくわぶみたいな食感で、我が家の子どもたちは大好きです。
麺が流れるように盛りつけるとキレイ
端を切ったそうめんは、箸や包丁を差し入れてそっと持ち上げます。
そうめんの端を両手で持ち、雑巾絞りのようにひねったら、整った麺が崩れないようそのままお皿に盛りつけましょう。
いつものそうめんよりちょっとよそゆきな感じになったでしょうか?
麺つゆにおすすめしたいのは、やっぱりおだしをひいてつくるもの。市販のものより繊細でやさしい風味が楽しめます。
「忙しい毎日で、おだしなんかひけない!」という方には、梅干しを漬けたときに出る梅酢とおしょうゆを半々で混ぜて水で薄めた、なんちゃって麺つゆもオススメです。
梅酢は自分で作らなくても売っていますし、爽やかな酸味と梅の甘い香りが夏の暑さにぴったりですよ。
食のライター・料理家。
書籍や雑誌、webなどで執筆と料理の仕事をしている。アウトドア好きが高じて『メスティンBOOK』(山と渓谷社)、『キャンプでしたい100のこと』(西東社)でアウトドア料理のレシピ監修も行う。『こねこのコットン チアーカフェストーリー』(学研プラス・7/6発売)では、児童向け小説の執筆と、おはなしの中に登場するレシピの開発をしている。5歳と13歳の母。