クレソンの収穫量第1位は「山梨県」
明治時代に日本に渡来したといわれるクレソンは、綺麗な水が流れる川や沼などの湿地に生育するアブラナ科のお野菜。和名は「オランダがらし」で、英語では「ウォータークレス (Watercress)」。「クレソン(Cresson)」はフランス語です。
私が住む山梨県はクレソンの収穫量・出荷量共全国第1位。その中でも道志村は特に栽培が盛んで、昭和55年に設立された「道志村クレソン出荷組合」などを中心に加工品の開発なども行われています。
「道の駅どうし」へ行くと、フレッシュなクレソンや様々な加工品が購入できるだけでなく、クレソンを使ったメニューもいただくことができます。
左から順に、クレソンケーキ・クレソンと豆腐のサラダ・クレソンつけ麺
「最強野菜」と呼ばれるわけ
クレソンが「最強野菜」といわれていることをご存知でしょうか。実はアメリカ疾病予防管理センター(CDC)の機関誌「Preventing Chronic Disease(慢性疾患を予防する)」2014年6月5日号では、米ニュージャージー州のウィリアム・パターソン大学の研究者が健康維持に重要とされる17種類の栄養素(カリウム、食物繊維、タンパク質、カルシウム、鉄、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、葉酸、亜鉛、ビタミンA、B6、B12、C、D、E、Kの17)の含有量をもとに作成した「栄養素の高い果物と野菜トップ41」において、クレソンが野菜第1位になりました。
メイン料理に添えられたクレソンにしか出会ったことがない人も多いかもしれませんが、実は脇役にしておくにはもったいない、「最強野菜」なのです。
クレソンは周年栽培
クレソンの旬は春ですが、露地栽培とハウス栽培の両方が行われており、1年中購入することができます。露地栽培のものは葉が硬めで歯ごたえがあり、ピリッとした辛みもしっかりあります。
これに対し、ハウス栽培のものは葉が柔らかく辛みも露地と比べるとマイルド。辛みが苦手な人は、ハウス栽培のクレソンからチャレンジしてみると良いかもしれません。
クレソンは5月~6月頃に白く小さな可愛い花を咲かせます。食べることもできるので、見かけたらぜひ試してみてくださいね。
クレソンの選び方と保存
クレソンは、茎がしっかりしていて、葉がたくさんついているものを選びましょう。香りが強いものも新鮮な証拠です。
元々湿気があるところを好む野菜なので、乾燥は禁物。湿らせた新聞紙に包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫に保存してください。水を入れた花瓶などに生けるのも良いですよ。ただし、水はこまめに交換するようにしてください。
クレソンの楽しみ方
付け合わせ以外にどうやって食べるのか分からない、という人も多いと思いますので、今回はいくつか食べ方をご紹介したいと思います。
まずはサラダ。旬の柑橘やトマト、チーズなどと組み合わてみました。食べやすい大きさに切って焼いたバゲットを加えてパンサラダにすれば、ボリューム満点の1皿になります。
次にハム巻きクレソン。クレソンをハムに巻くだけ。花が咲いているクレソンだとブーケのように華やかになり、パーティーにもピッタリです。
続いてクレソンの生ふりかけ。クレソンを細かく刻んで油で炒め、塩とゴマで味を付けます。しょっぱいと感じるくらい塩を入れるのがポイント。たくさん作って保存しておくと便利です。炊き立てのご飯に混ぜ込んでおにぎりにすると良いですよ。
次にクレソンのバナナマヨネーズ和え。こちらは30年以上前からクレソンを生産しているご夫婦から教わったメニューです。最初は意外過ぎて箸が付けられませんでしたが、一口食べてみたらその相性の良さにビックリ。辛みが苦手な子どもたちにも人気なのだそう。
我が家ではマヨネーズとプレーンヨーグルトを半々にし、酸味も楽しんでいます。
その他、グリーンスムージーやポタージュなどにも使えます。また、お肉との相性は抜群ですので、肉巻きや刻んだものを餃子の餡に入れてもアクセントになってオススメです。
最後に、クレソンソースをご紹介します。ジェノベーゼのバジルの代わりに使うイメージです。バジルより少し苦味のある、ちょっと大人なソースに仕上がりますよ。
ジェノベーゼ風クレソンソース
【材料(作りやすい量)】
・クレソン 100g
・ニンニク 1片
・粉チーズ 大さじ3
・オリーブオイル 大さじ3
・松の実やカシューナッツなどのナッツ 大さじ1
・塩 小さじ1
【作り方】
全ての材料をフードプロセッサーやミキサーで攪拌する。今回はパスタにし、ベーコンとスナップエンドウ、ミニトマトを入れました。
他にも、ピザソースに使ったりご飯に混ぜたりしても良いでしょう。グリル野菜にかけていただくのも美味しいですよ。オススメはもちろん作ってすぐに使うことですが、保存もできますので、ぜひ試してみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。付け合わせにしておくだけではもったいないお野菜だと知っていただけたでしょうか。生でも加熱してもいただくことができる変幻自在なクレソン。是非いろいろな形で楽しんでくださいね。
また、食べチョクでも購入することができますので、チェックしてみてください。
山梨県 クレソン
https://www.pref.yamanashi.jp/ft-noumu/56103953760.html
農林水産省地域特産野菜生産状況調査(平成30年度)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00500501&tstat=000001018175&cycle=7&year=20180&month=0&tclass1=000001033588&tclass2=000001138386&tclass3val=0
Watercress tops list of ‘powerhouse fruits and vegetables.’ Who knew?
https://www.washingtonpost.com/news/to-your-health/wp/2014/06/05/finally-a-list-of-powerhouse-fruits-and-vegetables-ranked-by-how-much-nutrition-they-contain/
食べチョクの商品はこちら
今回ご紹介した「クレソン」は食べチョクでも販売しています。農家直送なので獲れたてのシャキシャキ食感が楽しめます!ぜひご堪能ください。
工学部卒の元SE。
結婚後、「焼肉屋の嫁が野菜ソムリエっておもしろくない?」という興味で野菜ソムリエプロの資格を取得。その後もフードツーリズムマイスターやフードロスゼロ料理アドバイザーなどの食に関する資格を取得し、現在は自治体等と連携しながら農産物のPRや地産地消の推進、食育活動などを行なっている。