トレビスってどんな野菜?
トレビスは、ワインのような赤紫色の葉に白のコントラストが美しい西洋野菜です。チコリの一種で、見た目は紫キャベツ(アブラナ科)に似ていますが、トレビスはキク科で独特のほろ苦さをもった野菜です。加熱するとキャベツは甘みが増しくたっとするのに対して、トレビスは苦味が増し食感が残るのも特徴です。
赤紫の葉のヒミツは、抗酸化作用のあるポリフェノール。
トレビスの葉が鮮やかな赤紫色をしている訳は、赤ワインにも含まれるポリフェノールの一種アントシアニンを含んでいるからです。アントシアニンは眼精疲労や抗酸化作用があるといわれ、パソコンやスマホで目がお疲れの方、アンチエイジングが気になる方に摂取してほしい成分です。また、ナトリウムの排出を促すカリウムも含むので、むくみが気になる方におすすめの野菜といえます。
有機栽培にもってこいのトレビス、国産も増加中。
トレビスの原産は地中海沿岸で、イタリアやフランスでは古くから愛されている野菜です。日本へは1980年代に輸入が始まり、日本人にとってはまだ馴染みが浅く食べる機会も少ないかもしれません。国内で買えるトレビスの多くがアメリカなどからの輸入品です。しかし、最近では国内でもトレビスを生産する農家が増えてきて、北海道、長野、鹿児島、福島などで生産されています。
福島でトレビスを栽培している「もりとう農園」さんによると、トレビスはキャベツや白菜に比べて大変育てやすい野菜なんだそう。トレビスの特徴である苦味のおかげで虫害も少なく、病気にも強いので有機栽培にもってこいの野菜なんだとか。化学肥料や農薬に頼らなくても育てやすいのは、消費者の私たちのとっても嬉しいことですよね。
実はトレビス、身近なスーパーでの取り扱いも増えています。キャベツやレタスに比べると少し価格は高めですが、葉物野菜の売り場に置いてあることが多いので、ぜひ探してみてください。また、お話を伺った「もりとう農園」さんでは、初夏と初冬にトレビスを収穫しており、ネットで直接買うことができます。有機栽培の国産トレビスを取り寄せてみてはいかがでしょうか。
栄養をまるごと採れる簡単農家レシピ
家庭料理にトレビスを使う時、まずおすすめなのはサラダです。加熱調理するとトレビスの栄養成分が溶け出してしまうので、生食だと栄養も効率よく摂取できます。
ここで、先ほどの福島のトレビス農家、「もりとう農園」さんおすすめのトレビスのサラダをご紹介します。
作り方は、トレビスを5mm幅に千切りにして、レモン汁、塩、コショー、オリーブオイルを適量であえるだけ。これをウィンナーに添えると高級感と味わいのある一品になり、食卓に彩を添えたい時にぴったりなんだとか。ウィンナーの代わりに生ハムを代用しても美味しそうだし、ビールやワインにも合いそうですよね。
家庭で馴染みのない野菜の調理って、少しハードルが高く感じませんか。でも、この農家さんのレシピのように、特別なテクニックや調理器具がなくてもおいしく料理できることを知ると、食材をぐっと身近に感じるから不思議です。
まとめ
トレビスは料理の味を引き立て、見た目にも華やかさをプラスしてくれます。しかも、美容や健康が気になる人にうれしい成分も含んだ優秀な食材。料理の主役になることは少なくても、そのほろ苦さや風味は唯一無二の大人に愛される野菜です。
まずは“トレビス”という野菜の名前を覚え、レストランのメニューやスーパーで見かけたら注目してみてください。そして、料理のレパートリーにトレビスを使ったレシピを増やしてみてはいかがでしょうか。
元化粧品会社のブランドディレクターで美容好き。「おいしく食べてきれいになる」を日々追求しています。短大の食物栄養学科卒/野菜ソムリエ/日本化粧品検定1級