三重県生まれの「アレッタ」
イタリア語で「小さな翼」をあらわす「アレッタ」は、三重県津市にある「株式会社ナコス」で生まれました。
「ケール」と「ブロッコリー」を掛け合わせ、2011年に品種登録されたばかりの新しい野菜です。
アブラナ科で、収穫の最盛期は12月~3月頃。ビタミンKやカロテンなどを多く含む栄養価の高い野菜として注目されています。
濃い緑色の葉の中に細長い茎と蕾があり、「ケール」と「ブロッコリー」両方の特徴をしっかりと受け継いでいるのが分かります。
葉の特徴は、以前の記事でもご紹介した、黒キャベツ「カーボロネロ」にも似て、ゴワゴワして縮れていますが、それよりもやわらかく、「ケール」と違って苦味はほとんどありません。
すっと伸びた茎は、茎ブロッコリー「スティックセニョール」のようで、味わいも似ており、先端の花蕾は「ブロッコリー」そのもの。濃厚な甘味があります。
「アレッタ」の選び方と保存
葉は鮮やかな緑で、茎はみずみずしくて張りがあるものを選びましょう。
蕾が葉より上に伸びているものは、収穫期が遅れ、食味が落ちている可能性があります。
保存する際は新聞紙で包むか、ポリ袋などに入れ、野菜室に立てて保存するようにしてください。
「アレッタ」のおすすめレシピ
葉・茎・蕾、全て生でいただくこともできますが、少し加熱することで色が鮮やかになり、より甘味を強く感じるようになります。
青臭さやエグミなどもないので、和え物や炒め物、煮物や揚げ物、スープなど、様々なお料理に使えます。
そこで今回は、そのうちの3品をご紹介したいと思います。
アレッタのごま酢和え
【材料(2人分)】
・アレッタ 100g
・黒すりごま 大さじ1
・酢 大さじ1
・砂糖 小さじ1
・醤油 大さじ1/2
【作り方】
①アレッタは3センチくらいの長さに切り、太い茎は半分にする。
②沸騰した湯でお好みのかたさに茹で、ザルに上げて水気を切り、粗熱を取る。
③ボウルに黒すりごま・酢・砂糖・醤油を入れて混ぜ、②を加えて和える。
茹で時間はお好みですが、90~120秒くらいがオススメ。かたい茎の部分から入れるようにしましょう。
アレッタの甘味とごま酢の酸味が合わさり、さっぱりと食べられます。酢の代わりに柚子の果汁などを使ってもおいしいです。
アレッタとアボカドのホットサラダ(アレッタチップス添え)
【材料(2人分)】
・アレッタ 150g
・アボカド 1個
・ミニトマト 5個
・オリーブオイル 大さじ1
・レモン汁 大さじ1
・粒マスタード 小さじ1
・塩 適量
・胡椒 適量
【作り方】
①アレッタを、葉、茎、蕾に分け、どちらも2センチくらいの長さに切り、太い茎は半分にする。
②アレッタの葉をボウルに入れ、オリーブオイルをなじませる。
③クッキングシートを敷いた天板に、なるべく重ならないように広げる。
④170度に予熱したオーブンで約12分焼き、塩を振って粗熱を取る。
⑤沸騰した湯に塩を入れ、アレッタの茎・蕾をお好みのかたさに茹でてザルに上げ、水気を切って粗熱を取る。
⑥アボカドは皮をむいて種を取り、食べやすい大きさに切る。ミニトマトは4等分にする。
⑦ボウルにアボカド、ミニトマト、アレッタの茎・蕾を入れ、レモン汁と粒マスタード、胡椒を加えて和え、塩で味を調えて器に盛る。
⑧お好みでアレッタチップスを添える。
アレッタを別の食感で味わえる1品に仕上げました。
ケールに似た葉はチップスにしました。
揚げずに焼くだけですが、先に油をなじませておくとパリっと仕上がります。苦味がないので、ケールチップスよりも食べやすいです。
そして、茎と蕾はブロッコリーのようにサッと茹で、ホットサラダにしました。
茹でるときに塩を加えることで、色も鮮やかに仕上がります。塩味も付いているので、仕上げの塩は加えすぎないように注意してください。
チップス、ホットサラダ、それぞれ単体でも食べられますので、お好みで楽しんでください。
アレッタと鶏肉のトマト煮
【材料(2人分)】
・アレッタ 100g
・鶏もも肉 200g
・玉ねぎ 1/2個(約100g)
・さつまいも 小1個(約150g)
・にんにく 1片
・カットトマト缶 1つ
・オリーブオイル 大さじ1
・砂糖小さじ1
・固形コンソメ1個
・塩 適量
・胡椒 適量
【作り方】
①アレッタは3センチくらいの長さに切り、太い茎は半分にする。玉ねぎは一口大、さつまいもは乱切り、にんにくはみじん切りにする。
②鶏もも肉は一口大に切り、塩胡椒で下味をつける。
③鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて火をつけ、香りが立ったら鶏もも肉を加えて炒める。
④鶏もも肉の色が変わってきたら、玉ねぎとさつまいもを入れて炒め、玉ねぎがしんなりしたらアレッタの茎・蕾、カットトマト缶、砂糖、固形コンソメを入れ、かき混ぜながら煮る。
⑤ひと煮立ちしたら蓋をし、弱火で鶏もも肉に火が入るまで15分ほど煮込む。
⑥アレッタの葉を入れ、しんなりするまで2分ほど煮込む。
甘味の強いアレッタとさつまいもですが、トマトの酸味を加えることでさっぱりいただけます。
彩りも良く、ワインにも合いそうな一品です。お好みでチーズなどを加えても良いでしょう。
まとめ
まだあまりメジャーではない新顔野菜「アレッタ」ですが、メディアでも取り上げられ、注目が集まっています。
旬の時期に食卓に取り入れて、たくさん味わってくださいね。
・野菜のいろいろアレッタ(独立行政法人農畜産業振興機構) ・おもしろ野菜 アレッタ(ナコス) ・ナコスのお試しレシピ ・アレッタ2早生[菜類](株式会社三重興農社) ・新野菜アレッタ(朝日アグリア株式会社)
https://vegetable.alic.go.jp/yasaijoho/iroiro/1305_iroiro.html
http://www.e-broccoli.co.jp/itemlistkosei.html
http://www.e-broccoli.co.jp/item/aretta-recipe.pdf
https://www.e-taneya.com/item/12438.html
http://www.asahi-kg.co.jp/cms/asahi/aaa/03_seed/03_howto/04_aletta_howto.pdf
工学部卒の元SE。
結婚後、「焼肉屋の嫁が野菜ソムリエっておもしろくない?」という興味で野菜ソムリエプロの資格を取得。その後もフードツーリズムマイスターやフードロスゼロ料理アドバイザーなどの食に関する資格を取得し、現在は自治体等と連携しながら農産物のPRや地産地消の推進、食育活動などを行なっている。