管理栄養士で節約美容料理研究家の金子あきこです。
私自身二児の母であり、子供の好き嫌いについて、どのようにしたら最適なのか考えながら子育てしてきました。
今は中学生になる二人の息子の好き嫌い対処法も含めながらお話していきたいと思います。
「子供が嫌いな食べ物」と決めつけない
子供の健康を考えると、ビタミンやミネラルなどが豊富な野菜類を食べてほしい気持ちがつい強くなります。
また一生懸命作った料理を残されるのはちょっぴり悲しいものです。
ついつい「食べなさい」と強要してしまいがちですが、それはNG。
「怒られた」という嫌な記憶が残ってしまうことで、その食べ物に対して嫌悪感が残ることがあるからです。
また、子供が食べない野菜を「嫌いな食べ物」と大人が決めてしまうこともNG。
子供が食べられるようになるきっかけを失ってしまうからです。
今食べられなくてもいつか食べられるようになるようにこちらが設定する必要があります。
それには「今は気分じゃないのね」と言うことです。
子供の味覚は日々育っていますから、成長するにつれて食べられるようになると思います。
それを「嫌いな食べ物」と周りが植え付けてしまうことで食べる意識を遠のかせる原因にもなるのです。
子供が苦手な食べ物を食卓に並べないこともNG。
自分が苦手としていても、家族がおいしそうに食べている姿を見て、「食べてみようかな」というきっかけ作りなるからです。
子供の味覚は敏感ということを知る
子供が特に野菜などを苦手とする理由としては、味覚が敏感に感じられるからです。
甘味や旨味、塩味は好む傾向にあります。
しかし苦味や酸味、えぐみなどは「食べたら危ないかも」と危険をお知らせする味なので、本能的に拒否する場合もあります。
もちろん単純に苦手だからということもありますが、さまざまな味に慣れていくことで、食べられる野菜の数も増えていくのです。
月齢によっては繊維質のものを嫌がったり、熱い、冷たいものを嫌がることもあります。
何に苦手意識を持っているのか少し探ってみるのも良いでしょう。
幼少期は素材の味を感じていき、成長ともにいろいろな野菜の味に慣れ、食事は楽しいものであるということを構築していく時期でもあります。
焦らずじっくりやっていきましょう。
味覚を一緒に楽しむ
子供と一緒に食事をする際には、一緒に味覚を確認しながら食べることもとても大切です。
「どんな味がするかな?」聞いてみるといいですね。
「ごはんはたくさん噛んでいるとだんだん甘くなってくるよね」など話すと、食育にもなります。
野菜などは切り方で味の感じ方も変わりますので、例えば、人参の切り方を変えてみるのもいいかもしれません。
繊維に沿ったたんざく切りや繊維を断ち切った輪切り、すりおろしなど切り方を変えると野菜の味は変わるのです。
どちらかというと繊維を断ち切ると青臭さが増したりするので、苦手な子供には繊維に沿った切り方をして出してみましょう。
野菜の切り方を変えることは、苦手克服のきっかけ作りとしていいと思います。
また食べる際の「音」を楽しむのも一つ。
例えばきゅうりを噛んで食べる際に、「どんな音がしたかな?」と音を意識することで、野菜の種類による音の違いを学べるでしょう。
一口だけ食べるルールを作る
我が家では、意思の疎通が図れるようになってきたころから、好みではない野菜を一口は必ず食べてもらうようにしています。
味覚を知るという意味と、食わず嫌いをなくすためです。
また旬の時期や産地、調理法などで味が変わるため、同じ食材でも多様な味に触れる機会を増やすためでもあります。
我が息子は二人とも南瓜が苦手ですが、南瓜の料理をすべて食べられないわけではありません。
南瓜のフライは「美味しい」と言ったり、お味噌汁に入る南瓜は皮を取り除けばなんとか食べられる、という時もあります。
好みではない食材も料理の仕方で食べられることもあるのです。
一口ずつでもいいので、好みではない野菜を食べるきっかけを増やしましょう。
そうするうち味覚が育ち、いずれ問題なく食べられる野菜の種類が増えてくると思います。
・こどもの味覚の育て方(日東書院)
・食育ガイド&おたよりデーター集(ナツメ社)
野菜嫌いのお子様は、旬のお野菜、新鮮なお野菜に触れていないだけかもしれません。
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Aricofood株式会社代表取締役 管理栄養士。レシピ開発、セミナー、コラム執筆、メディア出演等。40代からのダイエットサポート、セッションなど女性の美に特化し行っている。著書に「ショウガ甘酒食べる健康法」(日本文芸社)「おなかぺったんこ腸筋レシピ」(リピックブック)。