管理栄養士で節約美容料理研究家の金子あきこです。
「和食は健康にいい」と、国内のみならず、海外からも注目を集めています。
その理由の一つとして、和食は健康維持において、栄養摂取の目標バランスに近いということがあります。
今日は「まごわやさしい」という言葉を使って和食の良さをお伝えしていきます。
まごわやさしい
「まごわやさしい」は一文字ずつ何を食べたらいいのか示してくれています。
ま・・・まめ類(大豆、納豆、豆腐など)
たんぱく質、ビタミン、食物繊維
ご・・・ごま
ビタミン、ミネラル
わ・・・わかめをはじめとする海藻類(ひじき、もずく、昆布など)
ミネラル、食物繊維
や・・・野菜(緑黄色野菜、淡色野菜、根菜など)
ビタミン、ミネラル、食物繊維
さ・・・さかな(魚や貝類など)
たんぱく質、ビタミン、ミネラル
し・・・しいたけをはじめとするきのこ類
ビタミン、ミネラル、食物繊維
い・・・いも類(さつま芋、じゃが芋、里芋など)
炭水化物、ビタミン、食物繊維
「まごわやさしい」を補うことで、和食の良さを凝縮して摂ることができる、というわけです。人間の体を健康に保つために必要な栄養素が補えるのです。
これを見ると肉類が入っていませんね。お肉で摂ることができるたんぱく質は大豆や魚から補います。肉類が多い食事は脂質を摂り過ぎにつながります。「まごわやさしい」の食材から選んで食べると脂質をとり過ぎる心配もありません。
パンやパスタなど洋食が多い方は、なかなか食べる機会のない食材も多いかと思います。1日1回「まごわやさしい」を中心とした食事にする。週末だけ取り入れる。などライフスタイルに合わせながら取り入れる頻度を増やしていきましょう。
「まごわやさしい」のプラスのメリット
和食を摂ることで、必ず必要になるのが発酵食品とうま味調味料です。発酵食品は味噌や醤油、みりん、酢などの調味料から納豆、ぬか漬けなどがあります。発酵することで作り出される栄養素が摂取でき、さらに乳酸菌が摂れることで腸内にもよい影響を与えてくれます。腸内には免疫細胞が7割も集まっているといわれていますから、腸を健康にすることはとても大切なのです。
そして昆布やかつお節などから取る「だし」を利用することも和食のメリットです。うまみをうまく使えば塩分を抑えることもできます。さらに和食は、煮る、焼く、蒸す、といった油を使わないヘルシーな調理法であることも特徴です。
和食を日常的に取り入れる方法
和食の基本は「主食がごはん」であるということです。ごはんであるお米は脂質が低いのがポイント。ですからエネルギーのバランスが整いやすくなるのです。そして主食をごはんにすることで自然と「まごわやさしい」の組み合わせになるのです。
一例をご紹介します。
朝ごはん・・・ごはん+納豆+わかめときのこの味噌汁
「まごわやさしい」 赤字の食材が補えます。
昼ごはん(外食編)・・・雑穀ごはん+ほっけの塩焼き+ひじき煮+具沢山味噌汁
「まごわやさしい」 赤字の食材が補えます。
お昼ごはん(コンビニ編)・・・鮭弁当(ごはん、鮭、ポテトサラダ、きんぴらごぼう、漬物)
「まごわやさしい」 赤字の食材が補えます。
夜ごはん・・・ごはん+まぐろの刺身+ほうれん草のごま和え+根菜と里芋の味噌汁
「まごわやさしい」 赤字の食材が補えます。
この組み合わせをすると、1日で「まごわやさしい」をすべて補うことができます。今日は「まごわやさしい」をいくつ摂れたかな? と自分の食事で考えてみることで、意識が高まってくるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
和食が注目されるようになったきっかけは、1977年にアメリカが発表した「マクガハンレポート」でした。当時アメリカでは動物性脂質のとり過ぎをはじめ栄養過多による健康問題が深刻でした。改めて和食のエネルギーバランスや栄養素のバランスのよさが注目され世界中に広まったのです。逆に食の欧米化が進む日本。改めて和食について考えていきたいですね。
参考文献
マクガバン・レポートと日本における食の「近代化」の内発的契機 戸川 律子
公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット 「日本食(和食)は理想的な健康長寿食」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/koureisha-shokuji/kenkou-tyuju-syoku.html
キッコーマン ホームクッキング 第一回 「まごはやさしい」はなぜやさしいの?
https://www.kikkoman.co.jp/homecook/doctor/appare/01.html
公益財団法人 長寿科学振興財団 健康長寿ネット「免疫力を高める食事とは」
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/koureisha-shokuji/menekiryokuotakamerushokuji.html
監修 飯田薫子・寺本あい 「一生役立つきちんとわかる栄養学」 西東社
記事をご覧になった方へ
「まごわやさしい」の「ま」にあたる豆類の商品をご紹介します。
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Aricofood株式会社代表取締役 管理栄養士。レシピ開発、セミナー、コラム執筆、メディア出演等。40代からのダイエットサポート、セッションなど女性の美に特化し行っている。著書に「ショウガ甘酒食べる健康法」(日本文芸社)「おなかぺったんこ腸筋レシピ」(リピックブック)。