マヨネーズの起源
マヨネーズの起源については諸説あるようですが、一番知られているのはスペイン東岸にあるバレアレス諸島にある、メノルカ島です。
18世紀半ば、当時はイギリス領だったこの島にフランス軍が侵攻した折に、マオンという町の食堂で出てきたソースをフランス軍のリシュリュー公爵が気に入ったという説が有力です。
マヨネーズの名前は、リシュリュー公爵がパリでマオンのソース「Mahonnaise(マオンネーズ)」と紹介し、時を経て「Mayonnaise(マヨネーズ)」となりました。
ちなみに、リシュリュー公爵、その名を聞いた事がある方もいらっしゃるかもしれませんが、小説などで有名な「三銃士」の登場人物でもあります。
物語では悪役のような扱いですが、グルメな方だったようですね。
マヨネーズの基本の作り方
フランスのグルメな公爵が戦争中に異国の地で出会い国に持ち帰ったことに始まり、今や世界中で愛されているマヨネーズ。基本の材料は、卵、酢、油とシンプルです。
使う油や酢の種類によって風味は変わりますが、マヨネーズのメーカーとして有名なキユーピーが発表している作り方は、以下の通りです。
1.ボウルに酢大さじ1/2と塩小さじ1/4、卵黄1個をボウルに入れ、手早くかき混ぜる。
2.植物油80mlを少しずつ注ぎながらよく混ぜて、白く滑らかになったら出来上がり。
卵の卵黄に含まれるレシチンの働きによって、酢と油が均一に混ざり合い(乳化)、滑らかな舌触りが保たれるのです。
世界で愛される、色々な種類のマヨネーズ
卵をつなぎにして油と酢が乳化したことにより、まろやかなソースに仕上がったマヨネーズ。
この基本の材料をアレンジした様々なマヨネーズが、世界中でお料理の味わいに一役買っています。
マヨネーズ発祥の国であるスペインではアイオリソースが有名です。レモン、オリーブオイルを卵黄で乳化させ、ニンニクの風味を加えて野菜などのディップとして食べます。
フランスでは、更にトマトケチャップの旨味を足し、色合いもきれいなオーロラソース(sauce aurore)が作られました。
アメリカには油脂にバターを使ったオランデーソースがあり、焼いたイングリッシュ・マフィンとハムとポーチドエッグを乗せ、オランデーソースにかけた、エッグ・ベネディクトは、休日のブランチとして人気です。
中国では、フルーツサラダに合わせる為に、砂糖を加えた甘いタイプのマヨネーズが販売されています。
食品メーカーが、その地域の嗜好に合わせたマヨネーズを販売することもあるので、各国のマヨネーズの味わいを比べてみるのも楽しいですね。
そんな、世界中で愛されているマヨネーズですが、世界で一番消費量の多い国はロシアです。その量たるや、一人当たりの年間消費量が約6.4㎏、日本人の平均の約4倍だそうです。
サラダにかけるだけでない、マヨネーズの使い方3選
マヨネーズは、油と酢が乳化されていることによって、揚げ物のバッター液(衣になる生地)など料理の材料の代用になったり、おいしさがアップしたりします。
サラダにかけるだけでない、さまざまな使い方がありますが、ここでは3つの使い方をご紹介します。
揚げ物の衣づくりに
えびフライを作る時、粉をまぶしてから溶き卵にくぐらせ、パン粉をつけて揚げるという工程がありますが、粉と卵の2工程を、マヨネーズを塗り付けるという1工程にまとめることができます。
さらに、オーブントースターで焼くと、マヨネーズの油が揚げ油の代わりになるので、揚げずにさくさく衣のエビフライができあがり。
天ぷらの衣を作る時に卵を切らしていた場合も、マヨネーズで代用できます。
炒めものの油代わりに
油の代わりにマヨネーズで炒めると、乳化された卵と油が素材をコーティングするため、余計な水分が出る事なく、また、コクのある仕上がりになります。
マヨネーズを使ってチャーハンを作ると、ご飯がコーティングされてパラッと仕上がります。
パンケーキをふわふわに
パンケーキ生地にマヨネーズを混ぜて焼くと、生地がふくらみやすく、そしてやわらかくなります。
まとめ
市販のマヨネーズにケチャップやニンニクなどを足すだけで、サラダの味のバリエーションが増えます。他にも炒め物や揚物などにも、マヨネーズを効果的に使ってみてくださいね。
食材の味わいを引き立ててくれる調味料について、もっと知りたいあなたは野菜に合う基本調味料5つの記事もぜひご覧ください。レシピと一緒にご紹介します。
参考
キユーピー株式会社
https://www.kewpie.co.jp/mayonnaise/history/
https://www.kewpie.co.jp/mayonnaise/tips/overseas.html
朝日新聞 おしごとはくぶつかん https://oshihaku.jp/nenkan/page/13152564
サントリーホールディングス株式会社 https://recipe.suntory.co.jp/recipe/006236
ハウス食品株式会社 https://housefoods.jp/recipe/rcp_00020353.html
野村総合研究所 https://www.maff.go.jp/j/shokusan/kikaku/attach/pdf/29_russia-8.pdf
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。