管理栄養士で節約美容料理研究家の金子あきこです。
夏は沢山の汗をかき、体からナトリウムなどのミネラルが失われ、バランスが崩れやすくなります。
これらを補うためにも食事はとても大切です。暑い夏を毎日元気に過ごせる食事のちょっとしたポイントをお伝えします。
暑いからこそしっかり食べよう
暑いと食欲が落ちてしまいがちですが、バテないためにもしっかり食べましょう。
ポイントはエネルギー源となる炭水化物を毎食取り入れることです。エネルギーが不足すると疲れやすくなり、体の機能も落ちやすくなります。
食欲がなくなる夏は、食が進みやすいように一工夫しましょう。
ごはんであれば味付きがおすすめ。チャーハンやチキンライスなど味付きメニューは食欲をそそります。また中華風のあんをかけたあんかけごはんやガパオライス、カレーライスなどもいいですね。
そうめんや冷やし中華など夏の定番メニューは、タレが薄いと食が進みませんね。少し濃い目にすることで食欲が進むのであればそちらの方がいいでしょう。
また1点もののメニューには必ず肉類などのたんぱく質と野菜類も加えましょう。
食欲が落ちたら食べ方を工夫しよう
食欲が落ちると体がバテ気味になります。「しっかり食べて!」と言いたいところですが、食欲がない状態では食べられませんよね。
食欲が落ちるとひんやりとのど越しのよいゼリーやアイスクリーム、そうめんなどを選びたくなります。
しかし、冷たい食べ物は内臓を冷やし過ぎて胃腸の働きを鈍らせ、消化不良を起こしやすくなります。
そうなると食欲もさらに落ちてしまいますので、そうめんであれば温かいにゅう麺にして内臓を温めながら食べたり、ゼリーやアイスなど食べた後は暖かい飲み物を飲んだりして、内臓を温めるとよいでしょう。
食欲増進に良いとされるものを食べよう
食欲がない時は、食欲増進につながる香味野菜を取り入れるのがおすすめです。代表的な香味野菜とその食べ方を、ここでいくつかご紹介します。
生姜
生姜の香り成分が胃酸の分泌を促進させ食欲をアップさせます。
<おすすめの食べ方>
・生姜をすりおろし、冷ややっこや焼き茄子と食べる。
・麺類の薬味にする。
・生姜を千切りにしてごはんと炊き込んだ生姜ごはんにする。
・豚肉の生姜焼きにする。
みょうが
みょうがの独特な香りが胃酸の分泌を促し、食欲アップや消化促進に役立ちます。
<おすすめの食べ方>
・みょうがを豚肉で巻いて焼く。
・みょうがをぬか漬けにする。
・刻んで味噌汁や冷ややっこの薬味として使う。
しそ
しその香り成分が胃酸の分泌を促して食欲を増進させるとされています。
<おすすめの食べ方>
・しそとたたいた梅干しを豚肉で巻いて焼く。
・千切りにして和え物に加える。
・しそに塩を振り、しんなりさせてから海苔の代わりにおむすびに巻く。
パセリ
パセリのさわやかな香りには消化を促す成分が含まれています。
<おすすめの食べ方>
・パセリをみじん切りにしてスープ、オムレツにする。
・プロセッサーで細かくしてオリーブオイルなどと合わせパセリのジェノベーゼソースを作り、パスタやお魚のソースなどに使う。
とうがらし
とうがらしの刺激的な香りが胃液の分泌を促し、食欲アップにつながります。
<おすすめの食べ方>
・とうがらしを牛肉と炒める。
・焼きめしやパスタに加える。
・スープや味噌汁に入れる。
バテない組み合わせでパワーをつけよう
体の疲れを回復させ、内臓をいたわる食べ物を取り入れることで、体の機能や食欲の維持につながります。
バタないためのおすすめの組み合わせをいくつかご紹介します。
ゴーヤ+豚肉
ゴーヤの苦み成分と豚肉に含まれるビタミンB1がバテない体作りにおすすめです。豚肉とゴーヤを使ったゴーヤチャンプルーは夏にぴったりのレシピです。
モロヘイヤ+オクラ
それぞれのねばねばした成分が胃腸の働きを助けます。おひたしやサラダで頂きます。
長ネギ+たこ
長ネギに含まれるアリシンとたこのタウリンにより疲労から体を守ります。
長ネギをみじん切りにしてごま油、生姜、醤油と合わせ、ぶつ切りにしたたこと合わせれば食欲もアップします。
夏は汗からミネラル類が出ていきがちです。そこでいつも以上にいろいろな食材を組み合わせて食べ、さまざまな栄養素の摂取が必要になります。
いろんな工夫で食欲を増進し、元気に夏を乗り越えましょう。
・大阪医師会HP
「夏バテ予防」https://www.osaka.med.or.jp/citizen/tv18.html
・旬の野菜の栄養事典(エクスナレッジ)
・新・野菜の便利帳 健康編(高橋書店)
Aricofood株式会社代表取締役 管理栄養士。レシピ開発、セミナー、コラム執筆、メディア出演等。40代からのダイエットサポート、セッションなど女性の美に特化し行っている。著書に「ショウガ甘酒食べる健康法」(日本文芸社)「おなかぺったんこ腸筋レシピ」(リピックブック)。