サステイナブルシーフードとは

サステイナブルシーフードという言葉を聞いたことはありますか？

直訳すると「持続可能な海産物」。

普段食べている海産物をこの先も絶えることなく食べていけるように作られたものです。

サステイナブルシーフードの始まりは、移民の多いカナダでよく食べられていた「フィッシュ&チップス」にあります。

フライドフィッシュで使うマダラを捕獲しすぎたことにより、マダラだけでなく、漁業者までも失業に追い込まれてしまったことがきっかけだったそうです。

そして、バランスの取れた漁業が必要と注目されたことで出来あがりました。

サステイナブルシーフードかどうかは2つの認証マークで判断することができます。

①MSC（Marine Stewardship Council、海洋管理協議会）」

青いマークで、水産資源と環境に配慮して獲られた天然の水産物に付けられるもの。

漁業者に対して、漁獲量のコントロールや生態系への配慮など、規則をクリアした漁業を行っていることを証明するものです。

「海のエコラベル」と呼ばれています。

②ASC（Aquaculture Stewardship Council：水産養殖管理協議会）」

水色のマークで、環境と社会への影響を最小限にして育てられた養殖の水産物につけられたものです。

養殖産業の拡大により、エサとなる魚の大量漁獲、養殖魚の脱走による生態系への影響という問題が出てきてしまいます。

この問題を抑制する条件に則って養殖された海産物に付けられるマークです。

海から魚が居なくなる？！

なぜサステイナブルシーフードが必要なのか。それには以下のような理由があるとされています。

①大量捕獲（乱獲）の削減

海産物が捕獲されすぎていたり、捕獲してもいいサイズになっていないものまでも捕獲されてしまったりしています。

この状況が進むと子孫繁栄が途絶え、普段口にしている海産物がいつか食べられなくなってしまう可能性があります。

②海の水資源のバランス確保

人間による水質汚染やゴミ問題で海の生物たちが生きていける環境ではなくなってきています。

最近では、魚の体内から大量のプラスチックが出てきたり、漁業用の網に絡まって抜け出せなくなったウミガメのニュースを見たことはありませんか？

この先も満足して海産物を食べることができるよう、消費者に対して目に見える海の問題解決策としてサステイナブルシーフードは必要になってきます。

意外と身近なサステナブルシーフード

サステイナブルシーフードを取り入れることで、水資源のバランスを改善しつつ、この先も安心して海産物を食べていけるようになります。

サステイナブルシーフードは、イオン株式会社や株式会社セブン&アイホールディングス、合同会社西友などが経営するスーパーでも購入することができます。

こちらは、実際に商品に貼付されたMSCラベルの様子です。

SDGs目標14「海の豊さを守ろう」に繋がるサステイナブルシーフード

2030年までを目標に、社会問題を解決していくための17の目標と169のゴールを定めているSDGs（Sustainable Development Goals）。

目標14のゴールとして定めているのが「海の豊かさを守ろう」です。

サステイナブルシーフードを購入することで、海の問題解決、認定漁業者への支援、さらに社会問題の解決にも繋がります。

日本では、魚が居なくなる可能性があるという問題が身近に迫っていると感じている人が少ないのが現状です。

日本料理として欠かせないお出汁は、かつお、イリコ、昆布など、全て海産物から成り立っています。

これらが使えなくなるということは、日本文化までも衰退してしまう可能性もあるのです。

この記事をきっかけに、サステイナブルシーフードという存在を知り、使ってみようと思う人が増えていってほしいと思います。

えだかなえ

ウェブメディア運営兼ライター。田舎育ちの感性から、”食材はありのままがおいしく、身体に良い影響を与えてくれる”。この想いが伝わるような記事を発信したいと思います！
好きな食べ物は大豆。