管理栄養士で節約美容料理研究家の金子あきこです。
毎日の忙しさから、欠食してしまっていたり、外食が続いていたりすると必要な栄養素が摂れず体は弱ってしまいます。
私たちの身体はすべて食べたものだけで出来ていますから、健康で質の良い体を保つために食べ物には気を付けていきたいものですね。
今日は冬を元気に過ごすために、体の機能を高める食べ物をご紹介します。
体を温める食べ物
冬は体が冷えやすいです。そこで健康を保つためには体温を上げておくことがベストです。
というのも病原体が体に侵入してきたときに戦ってくれる免疫細胞は、体温が高い方が活発に働いてくれます。
ですから35℃台の低体温という方は、体温を36℃台に体温を上げていく必要があります。
体温を上げる土台となる食べ物は米、パン、麺などの主食である炭水化物です。体の中で熱を作りますから食べることで体温がグッと上がります。
主食を抜くのではなく、必ず食べる必要があるというのは、体温を上げるという意味もあるのです。
体を温める食べ物も体温を上げるのには最適です。雑炊やうどんなど、温かいメニューは体を温めてくれますよね。唐辛子や生姜、長葱なども体を温める働きをします。唐辛子を聞かせたマーボー豆腐やキムチ鍋、また長葱をたっぷり加え生姜を効かせたスープなどもおすすめです。
病原体から体を守る食べ物
柚子やレモン、いちご、パプリカなどに多く含まれるビタミンCは、病原体が体内に侵入してきたときに戦う免疫細胞をサポートする働きをします。
ビタミンCは水溶性で体に貯めておくことが出来ず、体外に流れ出てしまうため、食事や間食で補うといいでしょう。
緑茶にもビタミンCが含まれていますから、ホット一息つくときには温かい緑茶やレモンのスライスを浮かべたレモンティーなどがおすすめです。
その他抗酸化作用を持つビタミンAやビタミンEは体の酸化を防ぎ、元気に過ごすためのサポートをしてくれます。
ビタミンAは人参やほうれん草など色鮮やかな野菜に多く含まれています。
ビタミンEはアーモンドなどのナッツ類に含まれていますから間食に取り入れるもの最適です。
腸内環境を整えて元気に過ごす
腸は食べた物を消化・吸収する場所ですが、外から体内に入ってきた食品と共にウイルスや病原菌が侵入してくるリスクが高い場所でもあります。
そのため、腸の壁の内側には免疫をつかさどる免疫細胞が集中しており、体全体の免疫細胞の約7割が腸に集まっているといわれています。
だからこそ腸内環境を整え良い状態にしておくことが健康で過ごすために大切なのです。
腸内環境を整える栄養素は食物繊維やオリゴ糖、発酵食品などがあります。
食物繊維は大麦、ごぼう、きのこ、海藻、干し野菜の切干大根に豊富に含まれています。
中でも大麦やきのこに含まれているβ-グルカンは腸の免疫細胞に良い働きをするとも言われています。大麦はごはんに混ぜて炊けば手軽に食べることができます。
きのこは椎茸、えのき茸、舞茸、しめじ、エリンギなど種類も豊富なため、料理のレパートリーも沢山あります。鍋料理や炒め物、和え物、汁物などアレンジすれば、毎日飽きずに食べることもできますよね。
発酵食品である納豆や味噌、酢、漬物、ヨーグルトには乳酸菌や納豆菌が含まれ、腸内の善玉菌を増やします。普段の食事にお味噌汁をプラスする、酢の物、ぬか漬けを合わせるだけで自然に発酵食品を取り入れることができます。
そしてもう一つ。オリゴ糖も腸内環境を整えます。オリゴ糖はごぼう、玉ねぎ、バナナ、はちみつ、きなこ、味噌、醤油などに含まれています。
食べながら腸のケアができるなんてとてもお得ですよね。
今年の冬は食べ物からしっかり栄養を補い元気に過ごしましょう。
<参考文献> ・健康長寿ネット「免疫力を高める食事とは」 https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/koureisha-shokuji/menekiryokuotakamerushokuji.html ・栄養の教科書(新星出版社)
Aricofood株式会社代表取締役 管理栄養士。レシピ開発、セミナー、コラム執筆、メディア出演等。40代からのダイエットサポート、セッションなど女性の美に特化し行っている。著書に「ショウガ甘酒食べる健康法」(日本文芸社)「おなかぺったんこ腸筋レシピ」(リピックブック)。