森井ファームとは

京都の南をゆったりと流れる木津川のほど近く、木津川市加茂町でご夫婦と友人、ボランティアさん達で様々な種類のお茶を作り、食べチョクの他では、主に京都を中心とした手づくり市などで販売しています。

 

 

—-編集部: 

食べチョクでの紹介文には「ひいじいちゃんから茶畑を受け継いだ」と記載がありましたが、お茶農家さんになったきっかけを詳しく教えてください。

 

僕でこの茶園は4代目になるんです。物心ついた頃からお茶のお手伝いをしてきましたので、自然とお茶の仕事を受け継ぎました。

 

畑を受け継いだ当初は、化学肥料と農薬を用いた慣行農法の教えが教科書となっていました。

 

しかし、勉強して学んでいく中で気がついたのは、慣行農法は便利ではあるものの、効率や生産性などを重視した大量生産向きであること。

 

そして、お客様の声を聞き、お茶や自然について考え、学ぶ程に、茶畑や自然に負担をかけない農法でお茶を作っていきたいと考え、結婚を機にオーガニック農園として独立しました。

 

現在、茶の木の種類としては、在来種、ヤブキタ、サヤマカオリ。最近は紅茶用のミナミサヤカの栽培を始めました。ミナミサヤカの紅茶は数年後の販売開始を予定しています。

 

▲NHKワールド出演時

 

—-編集部: 

これまでの農法を変えるのはとても大変な作業だったのではないでしょうか。

 

除草剤を使わないことでの対策など、オーガニックで管理の仕事量が増える苦労のすぐそばで、それを応援してくださったりお仕事を手伝って下さったり、また、美味しかったよと直接や投稿などで伝えてくださるお客様の励みになるお言葉など、苦労を上回る幸せなことがたくさんあります。

 

自然やお茶の木や草木や土などに負担をかけず、お茶という自然の恵みを頂けることに感謝して、一緒に生きていけるのはとても有難く幸せなことです。

 

お茶づくりを通して得た経験のおかげで、自然や社会の仕組みなどに気づき、どのような生き方をしたいか、何ができるかなど自分で考えて行動できるようになっていると思います。

 

緑茶、ほうじ茶、紅茶の製法の違い

 

—-編集部:

森井ファームさんでは、緑茶だけでなく、ほうじ茶、紅茶も作られていますが、どれも同じ茶葉で作られるのですか?

 

そうです。みんな同じ茶葉で、製法がそれぞれ違います

 

緑茶は収穫してからすぐに蒸気で蒸して発酵を止め、熱風を送りながら茶葉を揉んで繊維をほぐしつつ水分を抜き、最終的に水分が5%になるまで乾燥させて作ります。

 

ほうじ茶は緑茶を焙じて香りを付けたお茶です。また、収穫したままの葉っぱを焙じる製法もあります。

 

紅茶は収穫後の茶葉を萎凋(摘み取った茶葉を風通しのよい場所などに放置して葉を萎れさせること)して、酵素の働きで紅茶らしい独特の香りを高め、更に揉みこむことで発酵を促します。

 

そうして、お茶を完全発酵させてから熱を入れ、乾燥させると紅茶になります。

 

—-編集部:

森井ファームさんは、他にも白茶というお茶も作っていますね。白茶というのは中国茶ですか?

 

白茶は中国茶の一種で、微発酵茶になります。

 

 

世界最古の製茶方法で、新芽を摘んで天日で乾かすという簡単な工程ですが、手摘みすることが多いので希少価値があります。日本で作っても中国茶の微発酵の香りを楽しめますよ。

 

緑茶の種類と製法の違い

 

 

—-編集部:

森井ファームさんは、緑茶も様々な種類のものを作られていますね。例えば、「かぶせ茶」と言うのは、聞きなれないお茶ですが、どのように作られるのですか?

 

「かぶせ」というのは収穫の2~3週間前から遮光して紫外線を浴びないように覆いをする事です。

 

遮光するかしないかで、緑茶は大きく2つの種類に分かれます。遮光しないものは「煎茶」になり、日本の緑茶の90%は煎茶になります。

 

煎茶の茶葉は紫外線から身を守るために葉が固めで形もシャープになります。葉の色は黄緑色。紫外線に浴びる事でテアニンがカテキンに変化するので、爽やかな香りと渋みも出ます。

 

それに対して「かぶせ」をした茶葉は、少しでも光を浴びようと、葉が広く薄くなり、濃い緑色の葉になります。そして、「かぶせ」をしたお茶の味は、本来のお茶が持っている甘みと深みもがあり、うまみ成分であるテアニンも豊富です。

 

 

3週間以上「かぶせ」をした茶葉を使ったお茶は、「玉露」や「碾茶(抹茶の原料で、挽くと抹茶になる)」になります。

 

—-編集部:

緑茶には「深蒸し」という商品もよく見ますが、深蒸しと浅蒸しの違いは何でしょうか?

 

浅蒸しはお茶の香り高く、水色が透き通っています。茶葉の姿も針のように揉みこまれているのが特徴ですね。

 

一方で深蒸しは、香りよりも味が中心で味わい深く、水色は濁った濃い緑色になります。

 

収穫方法蒸し時間の違いで、煎茶の浅蒸し・深蒸しがあり、かぶせ茶の浅蒸し、深蒸しに分ける事ができます。

 

茶の木の仕立て方にしても、葉数の数を多くしたいか、葉を少なくして1つの葉に旨みを集めるか。蒸し時間にしても、茶葉の芽が小さく香りも重視したい時は浅蒸しにする。大きめの葉を扱う時、また、味をしっかり楽しみたい時は深蒸しにするなど、多種多様な淹れ方があるのです。

 

このように、お茶農家は生産者の好みやお客さまにどんな風に楽しんで頂きたいかで、作り方や蒸し方、畑の仕立て方を選択しています。

 

 

お茶農家ならではのお茶の楽しみ方

 

—-編集部:

お茶農家さんだからこそのお茶の楽しみ方がありましたら、教えてください。

 

収穫して製茶したてのお茶をすぐ飲むことができます。

 

煎茶は摘みたてを製茶して、できたてのものの香りと渋みを楽しむのが良いでしょう。抹茶や玉露、かぶせ茶は製茶をしてから少し熟成させた方が甘みや深みが増えてまろやかになります。

 

そのような味の変化に気づけるのは、お茶農家だからですね。あとは、生の茶葉をてんぷらなどで食べたり、パウダー状になったお茶をお菓子や食材に使うこともあります。

 

改めて、生産者としては、自然やお茶の木や他の草木や土などに負担をかけず、お茶という自然の恵みを頂けることに感謝しています。

 

何よりも、応援してくれるお客様ボランティアさんたちの出会いがとても有難い、かけがえのないものになっております。

 

まとめ

最後に、森井ファームさんから読者の皆さんへのメッセージです。

 

「うちはオーガニックならではの安心感はもちろん、お茶の時間をゆっくりと楽しんで頂きたい想いを一番に、色々なお茶を生産しています。また、お茶を通じたお客様との素敵なご縁を大切にしていきたいと思っております。

 

自分の好きな味を見つけたり、その日の気分でお茶を選んだりして、ホッとできるひと時にうちのお茶が寄り添えたら幸いです」

 

1本のお茶の木の仕立の方法収穫方法製法の違いで、色々な香りや味わいのお茶になり、私たちの側に寄り添ってくれます。

 

そして、森井ファームさんのように、自然のサイクルに寄り添い、人の和を大事にするお茶農家さんがいらっしゃいます。農家さんの想いにも耳を傾けつつ、ほっとしたひとときを楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

森井ファームさんのお茶はこちら

 

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