タイ料理、シンプルクッキング研究家、サクライチエリです。1年中暑いタイの屋台で冬瓜の入ったスープがしばしばサービスで出てきて、冬瓜料理が好きになりました。
冬瓜は、中医学では清熱・解暑・生津止渇という蒸し暑い夏を乗り越えるための効能があります。しかし、大きくて使い切れない、調理方法が分からないなどの理由で、買うことを躊躇される方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、そんな冬瓜の取り扱い方法や様々な調理方法についてご紹介します。
冬瓜の栄養について
冬瓜の100g中のカロリーは15kcal。その90%以上は水分です。
栄養素ではカリウムが200mg、ビタミンCが39mgと栄養分が豊富に多く含まれています。カリウムは細胞内の浸透圧維持、細胞の活性維持等を担っており、むくみなども改善する効果があると言われています。
また、ビタミンCを同じウリ科のキュウリ(14mg/100g中)と比較すると、茹でた冬瓜は27mg であり約2倍多く含まれています。
冬瓜の下処理と保存方法
カットしない丸ごとの冬瓜は、温度13~15℃、湿度70~75%がキープできる状態の冷暗所であれば6ヶ月以上保存が可能です。
一方で、カットすると日持ちはしません。スーパーで販売されているカット冬瓜はラップで包むものもありますが、この状態で4〜5日もすると表面が黄色っぽくなって傷んできます。カットしたものは早めに処理してください。
下処理の仕方は、以下の通りです。
1. 半分に切り、スプーンを使って中のワタと種を取り除きます。
2. 皮を剥いて、食べやすい大きさに切り分けます。
皮はピーラーで薄く剥くときれいなグリーンが実に残り、煮くずれがしにくいです。包丁で5mm程度の厚みで皮を剥くと、果肉全体がとろける食感に煮えます。
そのまま調理に使えますが、一度下茹ですることで青臭さを取ることもできます。
カットした冬瓜は、冷凍保存がおすすめです。生のままのカット冬瓜も、下茹でしてよく水気を取ったものも、密閉袋に入れて空気を抜いて冷凍してください。使う時には凍ったまま、煮汁などに入れて使うことができます。
食感は下茹でしてから冷凍する方が味も入りやすく、トロリとした食感になります。冷凍したものは1ヶ月以内に使い切るようにしてください。
冬瓜を使ったレシピ3選
くせのない淡泊な味わいの冬瓜は、和食ではお出汁で煮詰めたものが定番ですが、他にも様々な用途に利用できます。今回は、洋風・中華風の料理とカレーに入れる方法の3種類の使い方をご紹介します。
冬瓜とベーコンのクリーム煮
【2人分】
<材料>
冬瓜 200g
ブロックベーコン 80g
バター 10g
牛乳 100ml
片栗粉 大さじ1 (同量の水で溶いておく)
粉チーズ、胡椒、パセリ 各適量
<作り方>
1. 蓋つきのフライパンにカットした冬瓜、ベーコンとバターを入れて、蓋をしたら弱めの中火で10~15分、蒸し焼きにします。
2. 冬瓜が柔らかくなったら牛乳を加えて加熱し、水溶き片栗粉でとろみをつけます。
3. お皿に盛りつけ、粉チーズ、胡椒、パセリを散らして出来上がりです。
冬瓜とアサリのショウガスープ
【4人分】
<材料>
あさり 300g
冬瓜 200g
生姜 スライスで8枚程度
水 800ml
塩かナンプラー 適量
パクチーの葉か 青ネギ 適量
<作り方>
1. お鍋に砂抜きしたあさりと3㎝角程に切った冬瓜を入れ、弱めの火加減で冬瓜が透き通るまで煮込みます。
2. 塩かナンプラーで塩味を調えたら、千切りにしたショウガを加えて出来上がり。
3. 器に盛りつけ、パクチーの葉か青ネギを散らします。
冬瓜カレー
ジャガイモの代わりに冬瓜を入れたカレーです。スープカレーに入れるのもよいでしょう。ジャガイモ程の重さもなくカロリーが控えられるので、ダイエットレシピとしてもおすすめです。
まとめ
冬瓜は下処理して冷凍しておけば、好きな時に使うことができます。
この夏は、適切に保存して、様々な冬瓜料理を楽しんでみてくださいね。
カゴメ
https://www.kagome.co.jp/vegeday/yasai/winter-melon/
文部科学省 食品データベース
https://fooddb.mext.go.jp/result/result_top.pl?USER_ID=15185
https://fooddb.mext.go.jp/result/result_top.pl?USER_ID=15210
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。