みなさんこんにちは。平日はシステムエンジニア、休日はライターをしている北條怜子です。今回ご紹介するのは、本来食べられるはずの食料が廃棄されてしまうという、とてももったいない食品ロスの問題に、個人や企業で取り組める画期的なサービスについてです!
作った食料の1/3が誰の口にも入らない現実
食品ロスとは、文字通り食べるために生産された食料が、口に入ることなく廃棄されてしまうことを指します(食品ロスの定義は国や地域によって異なるそうですが、ここでは日本的な基準で記載しています)。現状として、世界で生産される食料のうち1/3(約13億トン)は廃棄されているのだとか。13億トンの食料を作るためには、日本の国土の37倍の土地が必要になるそうなので、とんでもない量ですね。
食品ロスは様々なシーンで起こる
食品ロスにも段階があり、商品パッケージの印字ミスなど加工段階で発生するもの、お店での食べ残しなど流通段階で発生するもの、そして家庭での買いすぎなどによる消費段階で発生するものなどがあります。食べ残しや買いすぎなど、個人が意識することで解消できる点ももちろんありますが、例えばお店での売れ残りや規格外などは、なかなか意識だけでは解消するのが難しい点もたくさんあります。
あなたも街角ごはんのレスキュー隊!飲食店の食品ロスを助けるサービス
TABETE
提供元:株式会社コークッキング
すべての食事に込められた「食べてほしい」という想いを「食べ手」につなぐ
提供元:株式会社コークッキング
「TABETE」は、飲食店で閉店間際にこのままだと売れ残ってしまいそうな食事や、作る過程で形がいびつになってしまったもの、期限が近い商品などをお得なお値段で購入できるサービスです。
飲食店では、いくらお店側がロスを少なくするように仕入れに気を遣ったり食材を管理したりしていても、どうしてもその日の天候や客足などに左右されてしまうため、完全にロスを無くすことはなかなか難しいです。
そのような状況の中で、飲食店が気持ちを込めて作った食べ物を最後の最後まで食べ手に繋げたい。という想いからこのサービスは生まれたとのこと。
都内のイタリアンから焼肉やベーカリーまで
提供元:株式会社コークッキング
現在「TABETE」に掲載されているお店は、都内を中心に約320店鋪。お店のジャンルは、イタリアン、スペイン料理、焼鳥、焼肉、カフェ、ベーカリー、洋菓子店に至るまで様々です。
お店ごとの出品されている商品を覗いてみると、例えば焼肉屋さんでその日に余った部位を使ったまかない料理、調理する途中で形が崩れてしまったオニオンリング、洋菓子屋さんでその日に残ってしまいそうな商品と試作品の詰合せなど、個人的に魅力的な商品がたくさん!
まかないや試作品に至っては、通常料金を払ってでもぜひ食べてみたい…と思いました。
レスキュー隊デビューしてみた!
筆者も早速会員登録をして、「TABETE」を利用してみました。実際に利用した際の手順と感想を以下にご紹介します。
①まずは、出品しているお店を検索
WEBサイトと、アプリ(iOS、Android)がありますので、お好きな媒体を使い出品されている商品を検索します。
このように出品されているお店のリストが表示されます
②レスキューしたいお店を見つけたら、受け取り時間と購入数を入力してお会計へ
お会計の方法は、クレジット一択です。先にお会計を済ませるので、後はお店に時間通りに伺って受け取るだけ!
今回私が選んだのは、赤坂見附に店鋪を構える燻製カレーのお店「くんかれ」さんのとんかつ燻製カレーです。350円というお得さに衝撃を受けました…。
お店によっては、引き取り可能時間が22時頃までと結構遅くまで受け取れるお店もあります
お会計を済ませると可愛い完了画面が
③時間になったらお店へ行って受け取ります
お店に着いたら、受け取り確認のページを提示して商品を受け取ります。「くんかれ」の店員さんに、このサービスを利用するのは今回が初めてなのですとお話したところ、「くんかれ」さんもこのサービスを利用し始めたのが最近とのこと!
私は燻製料理が大好きなので、素敵なタイミングに出会えてとても嬉しかったです。
受け取った商品はこちら!
これは、美味しそう!! 蓋を開けると、ふわぁっとカレーと燻製の良い香りが。燻製カレーは食べたことがなかったので、全然味の想像ができなかったのですが、一口食べて見るとカレーと一緒に燻製独特のスモーキーな味わいが!
そして、このとんかつも衣がサクサクしていて美味しい! 豚肉の旨味もしっかり出ていて、燻製カレーと食べてもそのまま食べても美味しかったです。
正直、350円で購入したのがちょっと申し訳なく思ってしまうほど、美味しくてボリュームもたっぷりで、満足いっぱいの一品でした。
掲載されている店鋪はまだ都内近郊のみであることと、毎日すごくたくさん出品されているという訳ではなさそうなのですが、お店が助かってさらに消費者としても美味しいものをお得に購入できるだなんて、とても素敵なサービスだなと思いました。
また、普段知ることのないお店側の事情も垣間見えるきっかけになり、作ってくださる人へのありがたみやごはんの大切さを振り返るいい機会にもなるなと感じました。是非とも掲載店舗や地域がこれからどんどん増えてくれると嬉しいなと思いました。
こんなオフィスで働きたい!健康と食品ロス削減を同時に実現する置き菓子サービス
snaccuru(スナックル)
提供元:株式会社ツクモ
オフィスにお菓子コーナーがあるメリット
置き菓子サービスとは、オフィスの一角にお菓子が入ったボックスなどを設置するサービスで、社員がオフィスに居ながら好きな時にお菓子を購入できるシステムです。「オフィスグリコ」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。置き菓子サービスを導入するメリットとして、お菓子コーナーに自然と人が集まりコミュニケーションが活発になること、外にお菓子を買いに行く手間と時間が省けること、リフレッシュできるため仕事の効率アップに繋がることなどが挙げられます。
おやつタイムを健康的にすることで、個人の豊かさと仕事のパフォーマンス向上を実現する
提供元:株式会社ツクモ
「snaccuru」は、企業向けにヘルシー志向な置き菓子を提供するサービスです。
最近では「働き方改革」などにより、企業として福利厚生に力を入れることがますます求められていますが、具体的にどのようなことに取り組めばよいのか頭を悩ませる企業も多いそうです。そのような企業の悩みを解決する一助になればという思いで生まれたのが「snaccuru」というサービス。
提供するお菓子はヘルシー志向なものを中心に厳選されており、間食の質を高めることで社員一人ひとりの健康的な働き方をサポートし、それによって企業のよりよい職場環境作りや仕事のパフォーマンス向上を目指しているとのこと。
企業向けのサービスなのですが、その背景にある社員一人ひとりの健康や幸福度を高めることが企業としての前進に繋がるという理念と、それを毎日のおやつで実現しようという着眼点がとても素敵だなと感じました。
また、社員がお菓子を購入する際の支払い方法にはLINEPayが採用されているため、キャッスレスでスピーディーに購入できることと、企業側にとっても現金を回収するコストが削減できるのも嬉しいポイントです。
おやつタイムがそのまま食品ロス削減に繋がる
「snaccuru」で提供される商品の一部には、パッケージの印字ミスなど、品質には問題ないけれど廃棄されてしまう対象だったお菓子などを扱っているため、食べることで食品ロス削減にも貢献することができます。
また、ヘルシー志向のお菓子は普通に購入すると割高なものが多いのですが、本来なら廃棄対象になる商品を活用することで、通常購入する価格よりも2〜4割程度お安く提供することができるとのこと。身体に優しいものを食べることができて、さらに導入する企業にとってもコストの面でお得になるのはとても嬉しいですね。
身体のことを気遣ったお菓子たち
提供元:株式会社ツクモ
食べる人の健康を考えて厳選されているため、「snaccuru」で提供されている商品は、健康志向の方がお菓子を購入する際に特に気になる点に配慮されたラインナップが勢揃い。中にはオーガニック認証を取得しているもの、白砂糖不使用、グルテンフリー、トランス脂肪酸0のものなど、様々な厳選ポイントがあります。
身体に優しいおやつはどんな味?
筆者も平日はオフィスにこもって仕事をしているため、おやつタイムは毎日の大きな楽しみなのですが、正直お菓子をしょっちゅうムシャムシャしていると脳裏にチラッと罪悪感がよぎることがあります…。
でも、おやつは心と脳のオアシスなので、止めたくない。
そこで、なるべく罪悪感のわかない健康そうな商品を選んで食べています。そんな毎日を送っているので、健康に気遣ったお菓子ならぜひ私も食べたい!ということで、「snaccuru」の提供商品をいくつか実際に購入して食べてみました。その一部をご紹介します!
フェアトレードチョコ・板チョコ・オーガニック ミルク(税込378円)
手描き感のある牛さんが可愛いです
一つ目は、おやつに欠かせないチョコレートです。「フェアトレードカンパニー」のこちらの商品は、チョコレートの原料となるカカオ豆とその他の原料も、フェアトレードとオーガニックにこだわって作られているとのこと。
まず、開けてみると香りにほんのりキャラメルを思わせるようなコクが。口に含むと、コクのある甘い香りがふわっと広がり、そのまま舌の上でじわーっと溶けてミルク感たっぷりの美味しさが拡がります。溶け方が本当に絶妙で、自然な速度でゆっくり美味しさが拡がりながら溶けていくので、ひとかけの満足感が大きいです。
そして、この癖になるコクは一体何なのだろうと原材料を見てみたところ、黒糖が使用されていました! チョコレートに黒糖を入れるとこんなに美味しくなるのですね。
フェアトレード オーガニック・チョコデザートバー・ストロベリーミルク・シリアルクリスプ(税込421円)
パッケージがとても可愛らしいです
お次も「フェアトレードカンパニー」の商品です。こちらは、中心がイチゴ味のチョコで外側にミルクチョコがかかっているチョコレートバーです。ストロベリーパウダーが入っていて、チョコレートの美味しさに加えてイチゴ感もしっかり楽しめるお味です! また、中にシリアルクリスプが入っているので、食べるとサクサクした食感も楽しめます。
マクロビオティッククッキー 豆乳きなこ(税込313円)
こちらは、「ビオクラ食養本社」のマクロビオティッククッキーです。北海道の契約農場産大豆のきなこと豆乳を使用しており、動物性原料も不使用とのこと。お砂糖に国産のてんさい糖を使用しているため、とても自然で優しい甘さが楽しめます。また、きなこの味がすごくしっかりしているのと、食感もやや固めなので食べ応えがあります。ふと思い出して食べたくなるような、素朴な甘さが魅力的な商品です。牛乳ともとても合いますよ!
お!だし / oh! dashi 昆布と椎茸 10本入(税込1,481円)
最後にご紹介するのは、お菓子ではありませんがとても気に入った商品、「椎茸祭」の濃縮スープです。
液体タイプになっていて、お湯で混ぜるだけで椎茸エキスと昆布エキスの旨味がぎゅぎゅっと詰まったおだしが完成します!
椎茸の美味しさがしっかり楽しめて、程よい塩気がちょうど良い味です。身体も温まるので、出社してすぐや夕方の肌寒くなる時間帯に特に飲みたくなるなと思いました。
また、小腹は空くけれど、甘いものを食べる気分ではない時や、前日のお酒の付き合いで胃腸が疲れている時など大活躍できそうな一品です! 保存料や化学調味料が無添加なのも嬉しい。とにかくだし好きにはたまらない味でした。
実際に「snaccuru」で提供される商品を集める上で感じたのは、ヘルシー志向のお菓子をすぐに手に入れるのはなかなか難しい! ということでした。
販売しているお店がコンビニのようにどこにでもある訳ではないため、毎日のおやつに気軽に取り入れてみたくても、個人でやるとなるとちょっと大変だなと思いました。
そんな商品だからこそ、オフィスで購入できれば手に入れる手間も省けて、しかも一人じゃなかなか集められない色んな種類を一度に試すことができるので、付加価値が高いなと感じました。しかも美味しくて身体に嬉しいって最高です。うちのオフィスにも欲しいです。
まとめ
この記事を書くまで、食品ロス削減のためにできることは、買いすぎないことや買ったものをちゃんと消費することくらいしか思いつきませんでした。
ですが今回、食品ロス削減に貢献できる(しかも美味しく!)サービスに出会い、毎日の暮らしの中でも気軽に取り組むことが可能なのだということを知りました。
今回ご紹介したサービスは、どちらも食品ロス削減に貢献できることに加えて、個人や企業の幸せを考えて作られたとても素敵な想いの詰まったサービスです。食品ロス削減に興味のある方、食べることが好きな方、会社をよりよくするきっかけが欲しい方に、ぜひとも使っていただきたいサービスです。
システムエンジニア兼ライター。農学部でトマトの栽培を4年間研究したのち、IT×農業で何かできないかとシステムエンジニアに転向しました。食べること、作ること、そして人と関わることが大好きです。読んだ人の栄養になる。を目指して言葉を発信していきたいです。