旬の野菜は栄養価も高い!
例えば、冬野菜の代表格のほうれん草。50年くらい前は冬しか売られていなかったようですが、今では1年中見かけますよね。しかし、冬と夏のほうれん草の栄養価を比較すると、ビタミンCの場合、冬採れほうれん草の方が3倍も高いのです。やはり旬にはかなわないってことですね。
そこで、冬野菜を冬に摂る理由について紹介します。栄養価以外にも、いろいろな理由があるのです。
【理由1】冬野菜は体を温めるものが多い。
冬に旬を迎える野菜は根菜が多いのが特徴です。れんこん、ごぼう、山芋、かぶ、にんじん、ねぎ、小松菜、ゆずなどは体を温め、冷えを取り除く食材です。
一方、冬が旬の白菜、大根は残念ながら体を温める食材ではありません。しかし寒い冬にもってこいの鍋物に白菜は必須ですし、あつあつの大根はおでんには欠かせません。体を温めるパワーが少ない野菜は調理法を工夫することで冬向けの体を温める料理になっているのです。
ちなみに胡瓜やトマトなどの夏の野菜やバナナやパイナップルなどの南国のフルーツは体を冷やしやすいので、控えるか温かいものと組みあわせて食べるなど工夫をしてみるといいかと思います。
【理由2】安い!
旬の食材はスーパーなどでたくさん納品され、価格のお安いのが特徴です。旬の食材が分からないときは売り場に沢山並んでいて価格がお安いお野菜を探すといいですね。
【理由3】風邪予防に効果的なものが多い。
風邪を予防する栄養素といえばビタミンCが思いつくでしょうか? 冬野菜はビタミンCが豊富なものが多いです。柚子をはじめ、かぶの葉や大根の葉、小松菜、冬から春先にかけて出てくる菜の花、れんこんやごぼう、大根やかぶなどにもビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンCは加熱に弱いので大根やかぶはさっと塩もみしたりサラダで食べるのがおすすめです。青菜などはゆで柚子の果汁と和えれば、ビタミンCの摂取量もグンと増えます。ビタミンCはシミのもととなるメラニン色素の生成を抑える作用もありますので、冬の時期もしっかり摂っておくといいでしょう。
その他βカロテンは鼻や喉の粘膜を健康に保ちお肌の乾燥を防ぎます。先程あげた青菜の野菜や特に菜の花にはβカロテンを豊富に含んでいます。こちらも合わせて食事に取り入れるようにしましょう。
【理由4】消化を促すものが多い。
大根やかぶには胃腸の働きを整える消化酵素がたっぷり含まれています。特にごはんやパン、麺、芋類などのでんぷん質の食材やお肉、お魚などのたんぱく質類の消化を良くし胃もたれや胸焼けなどの不調を改善してくれます。これらの消化酵素は熱に弱いためグツグツ煮込むのはNGです。
胃もたれや胸焼けを改善したい方は大根を酢の物で食べたり、大根おろしにしたりするといいですね。みぞれ鍋やおろしそばなどの時は大根おろしを別添えでもらい一緒に合わせながら食べることで消化酵素を有効に体に取り入れることができるでしょう。また大根はおろすことで辛み成分であるイソチオシアネートが活性化し血液サラサラなどにもおすすめです。
冬には冬野菜の理由がある!
いくら技術が進んだとしても、やはり自然にはかないません。旬の野菜にはそれぞれ“旬である理由”があるのです。ですので、冬には冬野菜。積極的に取り入れて体を温め、風邪に負けない体づくりにお役立てくださいね。
体を温める薬味として生姜や唐辛子、こしょう、わさびなど調味料を調理に合わせるのもおすすめです。生姜や七味はお味噌汁やスープに入れるのが一番手軽に出来ます。レトルトのものにも加えるだけで良いためとても手軽です。お魚やお肉類も全般的に体を温めるものが多いですので、長ねぎをたっぷり入れた豚肉の生姜焼きや野菜をたっぷり入れた水炊きに柚子ポン酢などで食べるのも体が温まりますよ。
Aricofood株式会社代表取締役 管理栄養士。レシピ開発、セミナー、コラム執筆、メディア出演等。40代からのダイエットサポート、セッションなど女性の美に特化し行っている。著書に「ショウガ甘酒食べる健康法」(日本文芸社)「おなかぺったんこ腸筋レシピ」(リピックブック)。