中国野菜「チンゲン菜」
中国華中地方原産のチンゲン菜は1970年代に日本にやってきました。今ではハウス栽培も盛んで1年中入手できますが、本来の旬は9月~11月頃。この時期のチンゲン菜はしっかりした歯ごたえと辛みがあるのが特徴です。
チンゲン菜は白菜や小松菜と同じアブラナ科です。しかし白菜が頭部まで締まっている結球型であるのに対し、チンゲン菜は非結球型をしています。
花は黄色で、花の芽が成長し始めたチンゲン菜が「チンゲン菜花」として出回ることもあります。
葉っぱは、葉脈がくっきり見える大きな楕円形が特徴で茎もしっかりしています。
茎は少し丸みを帯びていて、根元に近づくほど色が薄くなります。この丸みはチンゲン菜が他の青菜と異なるところです。
チンゲン菜の選び方と保存
葉は鮮やかな緑でツヤがあり、茎はみずみずしくて張りがあるものを選びましょう。根元は肉厚なものが良いです。保存する際は新聞紙で包むかポリ袋などに入れ、野菜室で立てて保存するようにしてください。
チンゲン菜の楽しみ方
チンゲン菜はシンプルでクセもないので、どんな料理にも合うオールマイティーな野菜といえます。普段は中華料理に入るイメージが強いチンゲン菜ですが、今回は中華以外の食べ方をご紹介します。
チンゲン菜のサグポークカレー
【材料(2人分)】
・豚薄切り肉 100g
・チンゲン菜 2株
・タマネギ 1/2個
・水 100ml
・バター 15g
・おろしニンニク 小さじ1/2
・おろしショウガ 小さじ1
・塩胡椒 少々
・パセリ 適量
[調味料]
・カットトマト缶1/2缶(200g)
・塩小さじ1/2
・胡椒少々
・カレー粉大さじ1
【作り方】
①タマネギは皮をむいて一口大に切り、チンゲン菜は根元を取り除いて3センチくらいの長さに切る。
②フードプロセッサーやミキサーなどに1と水を入れてペースト状になるまで撹拌する。
③フライパンにバターとショウガ、ニンニクを入れて火をつけ、香りが立ってきたら豚薄切り肉を加えて塩胡椒をし、炒める。
④肉の色が変わってきたら、2と[調味料]を加えて混ぜ、煮立ったら弱火にして5分ほど煮詰める。
⑤器に盛り、パセリを乗せる。
「サグカレー」というと「からし菜」や「ほうれん草」入りのカレーを想像する人が多いと思いますが、今回はチンゲン菜をメインにしました。市販のカレー粉を使い、煮込み時間も短いので、忙しい時でも手軽に作れます。ご飯との相性はもちろん、ナンと合わせるのもおすすめです。
チンゲン菜とレンコンの梅味噌炒め
【材料(2人分)】
・チンゲン菜 2株
・パプリカ 1/2個
・レンコン 150g
・ごま油 大さじ1
・梅干し 1個
・みりん 大さじ2
・味噌 大さじ1
・酒 大さじ1
【作り方】 ①チンゲン菜は根元を取り除き、3センチくらいの長さに切って葉と茎に分ける。
②レンコンは皮をむいて5ミリ幅の半月切りにし、軽く水にさらして、水気を切る。パプリカはヘタと種を取り、薄切りにする。
③梅干しは種を取り除いて叩き、みりん・味噌・酒と共にボールに入れ、よく混ぜる。
④フライパンにごま油を入れて熱し、チンゲン菜の茎・レンコン・パプリカを加えてしんなりするまで炒める。
⑤3を加えて炒め合わせ、野菜に火が通ったらチンゲン菜の葉を入れて全体をなじませる。
淡白な味のチンゲン菜はしっかりと味をつけることで、魅力を引き出すことができます。茎と葉は厚みが異なるので、時間差で入れるようにしてください。ほんのりと甘いチンゲン菜と梅の相性は抜群。ぜひ試してみてくださいね。
チンゲン菜のグリーンスムージー
【材料(2杯分)】
・チンゲン菜 1株
・和梨 1個
・キウイ 1個
・オレンジ 1/2個
【作り方】
①チンゲン菜は根元を取り除いてざく切りにする。
②和梨は芯と種を、キウイはヘタを取る。オレンジは外皮をむいて種があれば取る。全てをひと口大に切る。
③全てをミキサーに入れ、滑らかになるまで攪拌する。
チンゲン菜を生のままグリーンスムージーにしました。梨やオレンジなど、甘みの強いフルーツと合わせることで青っぽさを感じにくくなり、野菜ジュースが苦手という人にも気に入っていただけます。今回はフルーツの水分のみで仕上げましたが、お好みで水を加えるとサラサラになり飲みやすくなります。
まとめ
チンゲン菜のシャキシャキした食感は加熱をしてもほとんど変わりません。煮物や炒め物はもちろん、おひたしや味噌汁など、普段の食卓にも取り入れやすい野菜です。ぜひ旬の時期に食卓に取り入れて味わってくださいね。
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工学部卒の元SE。
結婚後、「焼肉屋の嫁が野菜ソムリエっておもしろくない?」という興味で野菜ソムリエプロの資格を取得。その後もフードツーリズムマイスターやフードロスゼロ料理アドバイザーなどの食に関する資格を取得し、現在は自治体等と連携しながら農産物のPRや地産地消の推進、食育活動などを行なっている。