管理栄養士で節約美容料理研究家の金子あきこです。
うどやふき、菜の花、筍などの春野菜は、血行促進や肝機能を強化してくれるポリフェノールが含まれているだけでなく、色が綺麗なことも特徴の一つ。お料理するのがとても楽しくなりますね。さっと塩ゆでするだけで色が鮮やかになり、しかも体にもいい春野菜。
さらに美味しく食べられるお料理のコツも含めてご紹介します。
あくが強いうどは、少量の酢を入れた水にさらす。
うどといえば独特の香りと歯ざわりが良いのが特徴ですよね。
うどは元々、野生に育っていたものですが、現在はほとんどが日の当たらない場所で育てた色が白い軟化うど(白うど)か、頭の部分が緑色の頭だけを日の光に当てて育てた緑化うど(山うど)です。
漢方では発汗や鎮痛、利尿などの働きがあるとも言われています。
うどはあくが強いので厚めに皮をむき、切ったら少量の酢を入れた水にさらすことで茶色の変色を防ぐことができます。
茹でてサラダや酢味噌和え、炊き合わせにしても美味しくいただけます。我が家ではむいた皮も食べます。ピーラーでむいた皮をざく切りし酢水にさらし、ごま油で炒め、醤油、みりんで味をつけ金平にします。うどの皮のみで作った金平はお酒のおつまみなどにぴったりです。
ふきのクセを制するには、煮びたしや炒め物などおすすめ。
ふきはさわやかな香りとほろ苦さが特徴。煮びたしや炒め物などおすすめです。しかし独特のクセがあり、お子様などにはなかなか難しい食材でもあります。ふきを薄くスライスして少量を玉子とじや炒め物に加えると案外食べてくれます。
ふきの独特のクセはクロロゲン酸というポリフェノールで抗酸化作用があり胃液の分泌を促進させてくれます。ふきはカリウムが豊富なため余分なナトリウムの一部を体外に排泄してくれます。血圧が気になるというかたにもおすすめの食材です。
ふきは変色が早いので、すぐに使わないときは筋を取り加熱してから保存しておくといいでしょう。冷凍保存も可能です。
豊富なビタミンCを持つ菜の花。茹でる際は短時間で!
菜の花はほろ苦い味が特徴的な野菜です。あくが強いためさっと茹でて食べるようにします。茹ですぎると豊富なビタミンCが流れ出てしまうので、茹でる際は短い時間にしましょう。
苦味が気になる方は辛子和えやマスタード炒めなどがおすすめです。
我が家では、旬の時期には「菜の花と鶏肉とマスタード炒め」をよく作ります。これが美味しくて家族でハマって食べています。さらにβカロテンが豊富なためお肉の油などと一緒に食べることで吸収も良くなります。
漢方では体を温め体内に滞った血液の流れを促す食べ物ともされています。春先の肌寒い日にはぴったりの野菜ですね。
掘り立ての筍(たけのこ)は、早めに下ゆでするのがコツ。
春から初夏の味わいを感じさせてくれる生の筍。出回るのは3月から5月あたりです。木の芽和えや天ぷら、煮物、炒め物にと色々と楽しめる野菜です。筍は食物繊維やカリウムが豊富です。便の排泄を促し腸内環境を整えたり、ナトリウムの排泄などに働きます。
筍の独特のえぐみはシュウ酸。掘った後はどんどん増加していきます。ですので掘りたての筍は早めに下茹でするのが美味しく食べるコツです。米ぬかやお米のとぎ汁などと一緒に皮ごと茹でてくださいね。茹でたての筍はわさび醤油をつけるだけでもとても美味しいのでおすすめです。
冷ました後は冷蔵庫で保存しましょう。2~3日で食べきれない時は食べやすい大きさに切って冷凍保存も可能です。
茹でた際に出てくる白い粒はたんぱく質類のチロシンという成分。神経伝達物質や甲状腺ホルモンが合成されます。気になる場合はさっと洗い流してからお料理してくださいね。
いかがでしたか? 苦味や渋み以外にも老廃物を出しやすくしてくれるものが多かったかと思います。また下処理を早めに行うというのもポイントでしたね。
今しか食べられない旬の野菜を一番美味しい状態で食べるためにも、はじめのひと手間がとても大切になります。春の味をぜひ楽しんでみてくださいね。
参考文献
旬の野菜の栄養辞典(エクスナレッジ)
食べて治す医学大辞典(主婦と生活社)
いつもの食材効能&レシピ帖(土屋書店)
栄養の教科書(新星出版社)
Aricofood株式会社代表取締役 管理栄養士。レシピ開発、セミナー、コラム執筆、メディア出演等。40代からのダイエットサポート、セッションなど女性の美に特化し行っている。著書に「ショウガ甘酒食べる健康法」(日本文芸社)「おなかぺったんこ腸筋レシピ」(リピックブック)。