管理栄養士で節約美容料理研究家の金子あきこです。
何気なく食べている野菜ですが、野菜はヘルシーな上に栄養素がぎゅっと詰まった体に良い食べ物です。
体を作り健康に保つ役割をしてくれます。しかし食べるタイミングや食べ方を間違えるとそんな野菜のパワーも半減してしまいます。
今日は野菜の良さを最大限に活かすための、買い方、選び方、調理術を見ていきましょう。
買い方のキーワードは、旬と鮮度
野菜が一番おいしいのは旬の時期です。甘味が増したり、色が鮮やかであったりと、いきいきとした生命力を感じられます。
旬の野菜を一番美味しく食べるタイミングは、収穫されてから出来るだけ時間をおかず、新鮮なうちに食べることです。
栄養素的には採れてから時間が経つにつれて栄養価は落ちていきます。旬の採れたて野菜を購入してきても時間が経って萎びてしまっては味も栄養価も落ちてしまうということです。
収穫してからできるだけ早く食べることができる野菜は、自分の暮らす地域で摂れたものですね。道の駅や地元の農家さんが路地で販売している朝採れ野菜は鮮度もバツグンです。
最近スーパーなどでは海外からの輸入の野菜も多いですが、海外のものであれば収穫から1週間程度かかって陳列されることもあるため、鮮度やおいしさや栄養素を考えると移動距離の短い国産の方がおすすめです。
抗酸化力を持つ夏野菜を選ぼう
人間は息をする、食事を取る、紫外線を浴びるなど、生活の中でたくさんの活性酸素が生まれます。
活性酸素がどんどん増えれば老化を早め、病気のリスクにつながるなど体に影響を及ぼします。
しかし抗酸化力のある野菜を食べることで、活性酸素を除去して健康を保ってくれる効果が期待できます。
ちなみに抗酸化力のある栄養素は、ビタミンC、E、Aやフィトケミカルなどの植物の色素やアクなどの成分です。
まとめてみました。
<夏野菜で抗酸化作用のあるもの>
・ビタミンC…にがうり、ピーマン、枝豆
・ビタミンE…モロヘイヤ、南瓜
・ビタミンA…モロヘイヤ、バジル、しそ
・フィトケミカル…トマト、スイカ(リコピン)、南瓜(β-カロテン)、茄子(ナスニン)
野菜の持っている抗酸化力を活かすために一番良い方法は鮮度の良い状態で食べることです。収穫されてから時間が経つと抗酸化力もどんどん減っていきます。
これらの野菜を数種類一緒に摂ることで、お互いの働きを補い合い抗酸化作用が高まるともいわれています。
さらにいうと健康維持のためには単品野菜ではなく複数の野菜を習慣的に摂ることが良いでしょう。
ただ一度にたくさんの野菜を食べることはなかなか難しいですよね。
なので、外食する際に普段食べない野菜を選んでみたり、普段から様々な調理法を試してみたり、工夫をしてみましょう。
食感、香りを楽しむための調理法は?
1日に必要な野菜の量は350gです。大体おかずの小鉢が1つ70gなので、小鉢くらいの野菜を5個くらい食べればいいということですが、毎日その量を食べるとなると意外と大変。
ですから効率よく350gの分の野菜をジュースにして飲む。という考えはとても良いと思います。
しかし、ジュースは搾りかすとして繊維は捨てられてしまいます。そうなると食物繊維は摂取できません。
食物繊維は腸内環境を整えスムーズなお通じを促し、血糖コントロールなど健康にとても良い働きをする栄養素です。せっかく野菜を取っているのに食物繊維が摂れないなんてもったいないです。
では、食物繊維も含めていただけるスムージーとして350g飲めばよいということでしょうか。
「これはとても効率が良い!」と思ってしまいがちですが、「飲む」は飲み物であって食べ物ではありません。つまり咀嚼がないのです。
咀嚼して野菜をいただくことで、口に入れるときに香りを、噛むことで食感や音を感じ、美味しさや季節を感じられます。
そしてもう一つのメリットとして、咀嚼することで胃腸が動き栄養素の吸収が良くなります。スムージーの場合、咀嚼がありませんから胃腸が動きません。
「煮物の野菜は柔らかく煮過ぎず、歯ごたえを残す」「生の胡瓜やトマトは細かく切りすぎない」など工夫することで自然と咀嚼が増やせますし、噛むときに野菜の音も楽しむことができます。
野菜を咀嚼して食べることで野菜のパワーを最大限活かせるようになるのです。
いかがでしたでしょうか。今年の夏は鮮度の良い野菜を美味しいうちに食べて、さらなる健康維持につなげましょう。
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Aricofood株式会社代表取締役 管理栄養士。レシピ開発、セミナー、コラム執筆、メディア出演等。40代からのダイエットサポート、セッションなど女性の美に特化し行っている。著書に「ショウガ甘酒食べる健康法」(日本文芸社)「おなかぺったんこ腸筋レシピ」(リピックブック)。