パクチーが好き過ぎて、自宅の庭にて我流でパクチーを育てているタイ料理・シンプルクッキング研究家 サクライチエリです。
日本では数年前にパクチーブームが到来し、都市部のそこかしこに「パクチー専門店」がオープンしては繁盛しました。それに応じて農家さんも1年中安定供給すべく、パクチー栽培に力を入れるようになりました。
しかし、コロナショックで飲食店が仕入れ量を大幅にセーブするようになった今、農家さんが育てているパクチーが余ってしまっています。
当たり前ではありますが、情勢に関係なく農作物は成長し続けます。せっかくのおいしいパクチーが大量に破棄される危機にあるのです。
そこで、消費者はチャンスです。パクチーを取り寄せて、思う存分「おうちでパクチー世界旅行」を楽しんでみませんか?
世界中で昔から使われているパクチー
日本で「パクチー好き」というと「えー、あれ、臭くない?」と、若干引き気味の対応をされることが多かった20年前。
しかし、今は打って変わって、タイ人がびっくりする程にパクチーをたくさん食べる食文化があります。
パクチーの歴史は大変古く、原産地は地中海沿岸です。パクチーの英名:corianderの語源は、ギリシャ語で「南京虫」を意味するkorisであると言われています。そして、和名では、その匂いから「カメムシソウ」とも言われています。
そんな「くさい」の代名詞のような語源を冠した植物ですが、
スペイン語や中南米→シラントロ(cilantro)
ポルトガル語→コエントロ(coentro)
タイ語(日本でのメジャーな呼び方)→パクチー
ベトナム語→ザウ・ムイ(rau mùi)
中国語→シャンツァイ(香菜)
と、それぞれの土地に根付いた名前がついている程に、メジャーなハーブとして活躍しているのです。
世界中では、どういった感じでパクチーがお料理に使えているかという事につきましては、別記事でご紹介させていただきますので、どうぞお楽しみに。
葉も種も花も、根っこも使えるパクチー
世界中で愛されているパクチーですが、実は皆さんも気付かないうちに食べているかもしれません。
まず、パクチーの種、コリアンダーシードは、カレースパイスの代表的なものの1つです。カレーだけでなく、各国の様々なスパイス料理にブレンドされています。
葉については、タイを筆頭に中国、台湾などで料理の仕上げのトッピングとして散らされます。
その他、タイ料理ではパクチーの根っこの部分を「香りが良い」ということで、スープのダシやお肉の下味に使います。
コロンビア在住経験のある私の友人によれば、ボゴタの市場では、必ずと言ってもいいほど花付きのパクチーが売られているとの事です。
▲パクチーの花
パクチーの花は、せり科らしいレースのようなかわいい花で、花の時期になると、葉の形状が変わります。パクチーの葉を購入した際にこのようなレース状の葉が混じっていたら、「花の季節なんだな」と和んで下さい。
パクチーの健康美容効果
パクチーがブームになった要因の1つに、香り・味だけでなく、美容・健康効果が注目されたことも関係しているのではないかと私は考えています。
パクチーに含まれる主な栄養素は、カルシウム、リン、鉄分、そしてビタミンAとビタミンC。
その他、抗感染作用・強壮作用のあるゲラニオール、ガン抑制効果のリモネン、抗感染作用、鎮静作用、腸内ガス排出促進作用のあるリナロール他、世界中で様々な研究が進み、美容・健康効果が証明されています。
我が家のパクチー保存法
パクチー好きの方から「パクチーを買ったはいいけれど、冷蔵庫ですぐにダメになってしまう」とよく相談を受けます。
我が家では、根付きのパクチーを買ってくると、根っこを洗ってから水を張った容器に浸して、蓋をして冷蔵庫で保管しています。
1~2日毎に様子を見て、水を替えていると最長2週間はもちます。葉を使い切った根の部分は、ラップに包んで冷凍しておけば、スープを取る時などに使えます。
モロッコ人と結婚した友人は、葉も茎も水気をよく切ってキッチンペーパーに包み長期保存用の袋などに入れて冷凍し、使う時に凍ったまま手で揉んで粉々にして煮込み料理に入れるとのことでした。
日持ちさせる方法が分かれば、心置きなく購入し、余さず使い切る事が出来るというものです。
新鮮なパクチーを産地から直接お取り寄せ
いかがだったでしょうか?
パクチーは、世界中で愛されるハーブだったという事がおわかりいただけましたか?現在は研究が進み、パクチーの様々な効果が立証されています。
そんなパクチーですから、いただくなら、きちんとこだわって栽培している農家さんから購入して、味と香りが濃く、鮮やかな緑色のものを選びたいですね。
例えば食べチョクの農家さんにも新鮮でおいしいパクチーを販売されている方がいらっしゃいますので、ぜひこの機会に購入して、色々なお料理に生かしてみてくださいね。
・ハウス食品 スパイス大辞典
・食物健康大辞典
・elle gourmet
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。