お彼岸とは、自然や先祖に感謝する日

お彼岸の仏事は、平安時代初期には恒例となっていたという、歴史の古い行事です。太陽の恵みに感謝して豊作を祈る意味から、「彼岸=日願」だったという節もあり、自然に感謝する日として親しまれています。

 

一方、「彼岸」という言葉は、三途の川を真ん中にして「あの世」という意味も持っています。昼と夜の時間がちょうど同じくらいになる「春分の日」と「秋分の日」には、あの世とこの世が近くなるという思想があり、彼岸にいる先祖や、大切な人に祈りを捧げる日であるとも言われています。

 

さまざまな説があるお彼岸ですが、先祖や亡くなった人のことを思い、お墓参りしたりお祈りしたりする大切な行事です。難しい形式的なことはわからなくても、この日にお供えするおはぎを作り、お祈りしてみてはいかがでしょうか。

 

仏壇がなくてもできる、気持ちのお祈り

近年の生活の変化から、仏壇や神棚など、祈る場所が家の中にない方もたくさんおられるでしょう。また、遠かったり行きづらい場所にあったりと、お墓参りにも気軽に行くのが難しいかもしれません。

 

そういうときは何も形式にこだわらず、食卓の片隅や窓辺などにお花とお水を置き、供え物をしてお祈りすればよいのです。亡くなった親戚やご家族、親しかった人のことを思い、お祈りしてみてください。

 

お祈り自体には何の効果もないかもしれませんが、実はグリーフケア(※)のひとつにもなるのです。誰かを思い、お花やお水をあげたり、供え物を作ったりすることが、悲しみに暮れる日々の救いになるかもしれません。

※死別による悲しみから立ち直り、再び日常生活ができるようケアしていくこと。

 

春のお彼岸に供えるのは「おはぎ」? 「ぼたもち」?

 

お彼岸に作るお供え物は、もち米をついて団子にし、あんこをのせたおもちのこと。「おはぎ」「ぼたもち」と二種類の呼び名がありますが、実はどちらも同じお料理です。

 

呼び名の違いには諸説ありますが、「ぼた」という言葉は「ぼたんゆき」「ぼたんえび」などでも知られているように、「牡丹の花のように大きい」ところからきています。つまり、「ぼたもち」は「大きいあんこもち」のことなんです。

 

今回は二口くらいで食べられる「おはぎ」を作りました。

 

【変わり種も!】おはぎ3種の作り方

まずはもち米のお話から。

 

 

まずはもち米を準備しましょう。ごはんと同じように炊飯器で炊き、麺棒などで潰して半殺し(半分だけつく)にします。もち米がなかったら、普通のごはんを柔らかめに炊きましょう。

 

 

手で触れるくらいの熱さになったら、1つ30gにまるめていきます。このくらいのサイズだと、子どもにも食べやすく、ちょっとのごはんでたくさん作ることができますよ。

 

あんこは「さらしあん」を使うと甘味が調節できて便利!

 

小豆から炊くのがいちばんおいしいのはわかっていても、なかなか手間がかかるもの。かと言って、市販のあんこはお砂糖がすでに入っていて、甘味が自分の好みになりません。

 

そこでおすすめしたいのが「さらしあん」。これは茹でた小豆から水気を絞って乾かしたもの。甘味はなく、乾燥あんこといった感じでしょうか。

 

 

さらしあんに好みのお砂糖と水を入れて加熱していくと、つやつやのこしあんができあがります。あっという間にできるので、お汁粉やよもぎ団子などを食べたいときにも活躍しますよ! 乾燥している粉末状のものなので、買ってストックしておけるのもよいところです。

 

おはぎの味は楽しみ方いろいろ!

 

今回作ったのは、左側から「こしあんおはぎ いちごのせ」、「クリームチーズとあんこの青のりおはぎ」、「きなこおはぎ」の三種類です。

 

1こしあんおはぎ いちごのせ

丸めたもち米にこしあんをかぶせて丸め、いちごを飾る

 

2クリームチーズとあんこの青のりおはぎ

もち米を平らに伸ばしてクリームチーズとあんこを入れて丸め、青のりをまぶす

 

3きなこおはぎ

もち米を平らに伸ばしてあんこを入れて丸め、きなこをまぶす

 

あんこと相性がよい食材なら、いろんなものがおはぎのトッピングとして活用できますよ。もち米に砕いたナッツを混ぜたり、かぼちゃあんを中に忍ばせたり。春のお彼岸には、桜の塩漬けや桜あんなどを使ってもきれいですよ。

 

 

 

 

 

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