管理栄養士で節約美容料理研究家の金子あきこです。
歯の健康を保つためには、毎日の食習慣を整える必要があります。何を食べるかだけではなく食べ方もとても重要になります。今日は今からでも歯の健康を保てる習慣をお伝えします。
虫歯はなぜ起こる?
歯の表面にあるプラーク(歯垢)の中には細菌が存在しています。細菌は食べ物や飲み物などから糖分を摂ることで酸を出します。この酸により歯が溶かされるのです。人間の唾液は酸により酸性になった口の中を中性に近づけることで歯を守ります。更に唾液にはカルシウムやリン酸を含んでいてこれらが、溶かされた歯を修復してくれるのです。
虫歯を作る食習慣とは?
口の中が酸性になることで虫歯のリスクを高めてしまうため、口の中を酸性に傾ける習慣を見直すことが大切です。
見直すべき習慣の1つに食事やおやつをダラダラ食べるということがあげられます。食べ物を長時間にわたり食べることで口の中が酸性になり、歯が溶けやすい状態になります。お子様などは食事に時間がかかる場合もありますが、一定の時間で区切る習慣をつけることも大切です。
また甘いおやつや甘いジュースを頻繁に食べている、スポーツドリンクや砂糖の入ったコーヒーを飲みながら仕事や勉強などの作業をしている人、飴をずっとなめている人なども注意が必要です。
唾液を出すためにしっかり良く噛んで食べる
食べ方の習慣で唾液の分泌量も変わってきます。唾液はしっかり良く噛んで食べることでしっかりと出るようになります。
例えば早食いの人はお茶やお水を飲む量が多くなります。というのも噛まずに、液体で流し込んで食べているからです。しっかり噛んで食べている場合
はきちんと唾液が出るため食事中に水分を摂らなくてもスムーズに食べることができます。
しっかり噛んで食事をするには柔らかいものや口当たりの滑らかな食べものは不向きです。パンよりごはん、ハンバーグよりステーキ、野菜は煮込んで柔らかくなっている野菜ではなく、シャキシャキ歯ごたえのあるものや根菜などがおすすめです。
お子様のおやつなどはプリンやアイス、クッキー、ケーキなどの甘いスイーツではなく、干し芋やするめ、昆布、ナッツ類などしっかり噛めて唾液が十分に出せるおやつを選んであげると良いでしょう。
歯を丈夫にする食べ物
歯の材料はカルシウムをはじめ、マグネシウムやリンなどのミネラル類、ビタミンDや良質なタンパク質などが必要になります。特にカルシウムは不足しがちな栄養素なのでしっかり摂りましょう。カルシウムは牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品から効率的に摂ることができます。その他、桜えびやししゃも、豆腐、厚揚げ、小松菜、大根の葉などから補うことができます。乳製品や魚、大豆製品からは良質なタンパク質も摂取できるため一石二鳥ですね。マグネシウムは大豆製品やほうれん草、バナナ、アーモンドなどに豊富に含まれています。ビタミンDは鮭やさんま、しらす、そして干し椎茸などにも多く含まれています。またビタミンDは紫外線に浴びると皮膚で合成されますから適度な日光浴も必要です。
習慣が肝
健康な歯の維持には食習慣の他に歯磨きもとても大切です。できれば食事の後はすぐに歯磨きをしておくといいでしょう。そうすることで間食や寝る前に何か食べたくなるということも防ぐことができます。また、寝ている間は唾液の分泌量が減るので歯の修復が送れる可能性もあります。
健康な歯を維持するためには食べ物だけではなく食べ方も大きく影響しています。規則正しい食習慣は歯だけではなく体の健康維持にもつながります。
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参考文献
e-ヘルスネット 「8020運動とは」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-01-003.html
千葉県栄養士会「健康を考える皆さまへ」
https://www.eiyou-chiba.or.jp/commons/shokuji-kou/health_and_diet/hanokenkou/
「食と医療 2021 Sprung-Summer Vol.17」 講談社エディトリアル 2021年4月30日発行
足立香代子監修 「決定版 栄養学の基本がまるごとわかる事典」西東社 2016年2月15日発行
Aricofood株式会社代表取締役 管理栄養士。レシピ開発、セミナー、コラム執筆、メディア出演等。40代からのダイエットサポート、セッションなど女性の美に特化し行っている。著書に「ショウガ甘酒食べる健康法」(日本文芸社)「おなかぺったんこ腸筋レシピ」(リピックブック)。