管理栄養士で節約美容料理研究家の金子あきこです。
血圧が心配で塩分を抑えなくてはいけないけれど、味の薄い食事は味気がないし美味しくない。
だから続けられない。そんな経験をしたかたも多いのではないでしょうか。減塩したはいいけど、美味しくなくなって食べる気が失せたでは、栄養不足になってしまいます。
ラーメン、そば、うどん汁系大好きな人の減塩法
ラーメンやそば、うどんなどは、インスタント系も含めて塩分が1日の目標量の半分以上を占めるものがほとんどです。毎回汁まで飲み干している人は確実に塩分オーバーしています。
特に気をつけなくてはいけない人は頻度が高い人です。1日1回は必ず食べているという人は毎日塩分をとり過ぎていることになります。
まず、麺の汁はすべて飲み切らず半分は残すようにしてください!
麺類を主に食事を摂っていると、野菜不足になりがちです。野菜には塩分を排泄してくれるカリウムという栄養素が豊富に含まれています。ラーメンはもやしやわかめなどの野菜がたっぷり入ったものを選ぶ。
そばやうどんも山菜や海藻などトッピングの多いものを選ぶように心がけてください。
またそれでお腹が満たされていない場合は、たんぱく質である煮玉子やゆで卵、チャーシューなど肉類などをプラスすることで満足感も得られますよ。
香辛料を使った料理を増やす
家族の健康を気遣って減塩料理を意識している方も多いと思います。ただ味が薄いだけではやはり美味しくないですよね。
そんな時は香辛料や酸味をプラスしましょう。こしょう、山椒、柚子胡椒、七味唐辛子、わさび、辛子、にんにく、マスタード、バジル、オレガノ、カレー粉、チリパウダー、クミンや酢、レモン、ゆずなどを使ったメニューがおすすめです。
ここで塩を控えつつ、香辛料と酢、かんきつ類を活用することで美味しくできる、「減塩オススメメニュー」をご紹介します。我が家でよく作るものばかりです。
鶏肉と長ねぎの黒コショウ炒め
粗びき黒コショウを効かせたピリッと辛い炒め物。
牛肉の山椒炒め
ごぼうなどの根菜と牛肉のスライス肉と山椒をたっぷり加えて醤油で味をつけ炒めた物。
鶏むね肉のマスタード炒め
鶏むね肉とにんにくを炒め、マスタードと塩で味をつける。
蓮根のクミン金平
スライスした蓮根をごま油で炒めクミン、醤油、みりんで味をつけた物。
青菜の辛し和え
茹でた青菜に辛子と醤油で和える。食べる前に和えることで辛子のツーンとした味や風味を楽しむことができる。
キャベツのトマトバジル煮込み
キャベツと玉ねぎとトマト水煮缶、乾燥バジルを加え顆粒の洋風だしと塩で味をつけ煮込む。
サバの酢マリネ
玉ねぎのスライスと酢を合わせ、塩を振り焼いたサバを漬け込む。
白菜のゆず和え
さっとゆでた白菜と刻んだゆずの皮、ゆずの果汁、砂糖、塩で味をつける。
どれも香辛料や酢、かんきつ類を効かせ、風味や味を楽しめる美味しい塩分を抑えたレシピです。
まわりにだけ味をつける
大根の煮物や里芋の煮っころがしなど、中まで味が染みているのもとても美味しいのですが、調味料が食材に入り込むため塩分が高めになります。
煮物などは中まで味をしみ込ませるのではなく、食材のまわりだけに味をつけるのがおすすめです。片栗粉で少しとろみをつけて絡めても良いでしょう。
和え物などは醤油で和えておくのではなく、食べるときに少量かけるのがおすすめ。和えてしまうと浸透圧の関係で水分がどんどん出てきてしまい味が薄くなり結果醤油をプラスすることになります。
和え物の場合はかつお節などをかけて旨味をプラスすることで美味しく減塩も可能になります。
おかずを減らした減塩法
野菜をたっぷり食べようと意識するあまりにおかずの数が4、5品と多くなっていませんか?
もちろん野菜を食べることは大切なことなのですが、炒め物、煮物、和え物、サラダなどそれぞれの料理に塩や醤油、ドレッシングなどを使いますよね。
品数が増えると、その分の調味料も増えやすくなるため、塩分をとり過ぎてしまう傾向にあります。
おかずをメイン+サブ二品で構成する「一汁二菜」がおすすめです。メインのおかずの付け合わせにキャベツやトマトなどがついていたら、一汁一菜でも良いと思います。
しかしそれでは野菜が足りないですよね。野菜はどこで摂るかというと汁物にたっぷり入れます。
食材の少ない味噌汁やすまし汁は汁が沢山入りますが、食材がたっぷり入っているほうが、結果的に汁が少なく済むため自然と減塩になります。野菜をたっぷり入れた汁を食事に必ずつけることで野菜もしっかり食べられますし、減塩にもなりおすすめです。
更に良い方法はだし汁をかつお節や昆布などで取り、旨味を活かすことで味噌などの調味料も使いすぎることもなくなりますよ。
いかがでしたでしょうか。
ちょっとした工夫で美味しく楽しく減塩でき、健康的な食生活が送れます。今日から心がけてみてください!
Aricofood株式会社代表取締役 管理栄養士。レシピ開発、セミナー、コラム執筆、メディア出演等。40代からのダイエットサポート、セッションなど女性の美に特化し行っている。著書に「ショウガ甘酒食べる健康法」(日本文芸社)「おなかぺったんこ腸筋レシピ」(リピックブック)。