味噌が、大豆の恵みを摂るのに最適と言われる理由。
大豆を摂るのなら豆乳や豆腐などでも良いのでは?と思われるかもしれません。
実は味噌ならではの良さがあるのです。味噌は、大豆に含まれるアミノ酸やビタミン、ミネラルなどの豊富な栄養素を吸収しやすい形になっているからです。
味噌は、大豆を茹で、麹、塩を合わせ発酵して作ります。麹菌が酵素を出しながらでんぷんを糖に分解し、たんぱく質をアミノ酸に分解していきます。そして乳酸菌を生成し味噌独特の香り醸し出し、色合いを作り上げていきます。
このような発酵の過程を経ることで、味噌の持っている栄養素の消化吸収がしやすくなるのです。
吸収が難しいカルシウムやマグネシウムなどのミネラルも、発酵の過程で作られる有機酸とミネラルが一緒になると、腸から吸収しやすくなります。
ちなみにマグネシウムは、体内の300種類以上の酵素反応に関わっているミネラル。マグネシウムが不足することで血管が収縮されるため血圧が上がることあります。塩分を控えているのに血圧が安定しない方はマグネシウムが不足かもしれませんね。
味噌はまた、女性ホルモンであるエストロゲンと似た働きをするイソフラボンを含んでいます。エストロゲンは閉経と共に分泌が減少し骨粗鬆症を引き起こしやすくなりますので、イソフラボンは毎日摂りたい成分ですね。
他にも、強い抗酸化作用を持つサポニンや、全身の細胞を丈夫にし動脈硬化の予防にも役立つレシチンなど、さまざまな栄養素を含みつつ、その発酵パワーで吸収率を高めてくれるのが味噌のメリットなのです。
旬の野菜と合わせ、栄養素を逃さずキャッチ!
胃や腸などの内臓機能は、温めることで働きが良くなります。ということもあり、やはり味噌はお味噌汁でいただくのが一番。お味噌汁の熱が胃腸を温め、スムーズに消化吸収を助けてくれます。
お味噌汁といえば具ですが、ポイントは旬の野菜を使うこと。旬の野菜は栄養価も豊富なため、少量でも栄養素がギュッと詰まっています。そして野菜は水に溶けやすい水溶性の栄養素を含んでいます。お味噌汁は汁ごと食べるため、野菜から溶け出した栄養素も丸ごといただくことができ無駄がありません。
もう一つのポイントは野菜を大きめに切り、柔らかくなりすぎない程度に加熱すること。野菜が大きく、噛み応えがあることで咀嚼が必要になります。
しっかり咀嚼して食べることで胃腸の働きが良くなり消化吸収率もUPします。さらには満足感にもつながりダイエット効果も期待できますね。
気候や風土により、さまざまな味わい。
味噌は原料により米味噌、麦味噌、豆味噌などがあり、色により赤味噌、白味噌、単色味噌など、さらに味により甘味噌、辛口味噌などに分類されます。地域の気候や風土により味や色なども違うのが味噌の良さですね。
また同じ原料で作っても発酵する場所の違いにより、出来上がりの味がそれぞれ違うのも味噌つくりの面白いところです。数種類常備することで毎日違う味や香りを楽しむことができます。
塩分が気になる方には・・
毎食摂りたい味噌汁で減塩するコツは、味噌汁に野菜をたっぷり加えて食べる味噌汁にすることです。大きく切った野菜をたっぷり入れることで味噌汁自体の水分量も減り塩分の摂り過ぎを防げます。
さらに野菜に含まれているカリウムに塩分を外に出してくれる作用があるため、野菜をたっぷり入れることで安心ですね。
毎日違う野菜や味噌で味噌汁を作れば飽きることなく毎日続けられます。野菜の力を活かし味噌パワーで日々の健康に役立てていきましょう。
手前味噌を家でお手軽に作りたい方はこちら
Aricofood株式会社代表取締役 管理栄養士。レシピ開発、セミナー、コラム執筆、メディア出演等。40代からのダイエットサポート、セッションなど女性の美に特化し行っている。著書に「ショウガ甘酒食べる健康法」(日本文芸社)「おなかぺったんこ腸筋レシピ」(リピックブック)。