タイ料理、シンプルクッキング研究家、サクライチエリです。私はタイ米が好きなのですが、日本帰国後は日本米の美味しさに気づき、色々なお米を試しています。娘もお米の食べ比べ記事でコメントする程、お米の味の違いも分かるようになりました。
最近、斬新な名前のお米が多く出てきたのが気になっていました。お米の名前は地域ごとに異なります。そこで今回は、「地域ブランド米」について調べてみました。お米選びの一助になれば幸いです。
日本の地域ブランド米について
そもそも、日本にはどんな銘柄のお米がどのくらいあるのでしょうか。
令和元年度の農林水産省の統計によれば、
その824種の内訳は、 2位はひとめぼれ(同9.2%)、3位ヒノヒカリ(同8.6%)、4位あきたこまち(同6.8%)、5位ななつぼし(同3.4%)と、上位5品種は前年度から順位の変動は無く、主食用米の作付割合の上位5品種が全体の63.0%を占めていました。
1位のコシヒカリは、
2位のひとめぼれも東北地方をはじめ、日本全国で作付けされていますが、3位のヒノヒカリは九州を代表するブランド米、4位のあきたこまちはその名の通り、秋田発のブランド。5位のななつぼしは北海道のブランド米です。
地域ブランド米の開発背景にあるのは?
上記で述べたとおり、コシヒカリやひとめぼれが全国展開されている一方で、各地の地域ブランド米も開発が進まれているようです。
こうしたブランド米の開発背景には、温暖化による気候変動もあるそうです。ここ10年は、異常気象並みの状況が続いているため、これまでの米栽培のマニュアルが通用せず、それぞれの土地に合ったお米の開発が求められています。
また現在は、米消費量の減少や米農家の高齢化といった問題があります。それに対して、味や作り方に工夫を凝らした「ブランド米」を生産販売することでファンを獲得し、さらにはその魅力に惹かれた若者の就農にも貢献しているそうです。
産地だけでない、個性豊かな地域ブランド米
現在では、環境問題や社会現象の影響を受けて、各地から好みや用途に合わせた個性豊かな新品種が次々と登場し、“ご当地米”として注目を集めています。
地域ブランド米には、あっさりした食味で飽きずに食べられる青森県の「青天の霹靂」や宮城県の「東北194号」、そして粒の大きさとオールマイティさを売りにしている茨城県の「ふくまる」や、秋田県の「つぶぞろい」があります。
他にも、北海道の「ゆめぴりか」と福岡県の「元気つくし」は、豊かな味わいや濃い味わいでファンを魅了しています。
さらには、日本のとろみのあるカレーに合わせるお米として開発された茨城県産の「華麗舞」や、高アミロース米として知られる佐賀県産「ホシユタカ」などもあります。
地域の特色を知ることができるだけでなく、食味や用途も選択できるのです。
まとめ
気象庁の報告によれば、日本の年平均気温は年々で上昇しており、特に1990年代以降は高温年が続いています。そのため、一部の地域では収穫量(収量)の減少が見られます。
現在は、こうした気温上昇による減収問題に立ち向かう意味もあり、様々な特色の地域ブランド米が売り出されております。地域ブランド米の特色ある美味しさを味わえると同時に、現地での取り組みに我々消費者も元気がもらえる気がします。
地域ブランド米を購入して地域を応援しつつ、色々な味わいを楽しんでみてください。
引用
農林水産省 “過去の相談事例・穀類” https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1909/01.html 農林水産省 “お米と品種・コシヒカリの歴史と特徴” https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0009/03.html
参考
平成21年産水稲の品種別収穫量 https://www.maff.go.jp/j/study/suito_sakugara/h2204/pdf/ref_data2.pdf 北海道米LOVE https://www.hokkaido-kome.gr.jp/about/komedokoro/ ふくまる https://www.fukumaru.org/index.php?%E3%81%B5%E3%81%8F%E3%81%BE%E3%82%8B%E3%81%AE%E7%BE%8E%E5%91%B3%E3%81%97%E3%81%95%E3%81%AE%E7%A7%98%E5%AF%86 つぶぞろい https://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/1909/01.html 元気つくし https://life.ja-group.jp/food/okome/detail?id=158 華麗舞 https://www.naro.go.jp/collab/breed/0100/0107/001609.html 農研機構 https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/files/newrice09.pdf
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。