管理栄養士で節約美容料理研究家の金子あきこです。
日本の夏は気温も高いですがムシムシしていて湿度が高いため汗がたくさん出ます。
汗が出ることは水分が外へ流れていくこと。こまめな水分の補給が必要になります。
また汗とともに塩分やカリウムやマグネシウム、亜鉛、鉄などのミネラルも汗と共に失われているのです。
ミネラルは体をつくり、機能を正常に保つために必須な栄養素です。
夏を健康的に過ごすためにもこの失われたミネラルをしっかり補給していかなくてはいけないのです。
旬の野菜を食べるメリット
近頃は夏野菜を冬に、冬野菜を夏にと1年を通して食べることができます。
ちなみに栄養成分が記載されている「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」(以下食品成分表)に記載されている栄養素は通年の平均値です。
実は1年を通して食べることができるようになった野菜にも旬があり、同じ野菜でも旬の時期には栄養価がグンと高いため、食品成分表に記載のある栄養素よりもたくさんの栄養摂取が可能なのです。
ではここから、旬の時期にしか見ることができない野菜から1年中通して食べることができる野菜もありますが、以下の野菜の旬はすべて夏!
どんな良さがあるのか、1つずつ見ていきましょう。
にがうり
苦味が特徴のにがうり。夏になると出回る野菜ですね。
このほろ苦さが夏の食欲をアップさせる働きがあります。
また、汗と共に失われるカリウムが豊富で、抗酸化作用のあるビタミンCとビタミンEもたっぷり。
日差しを浴びたお肌を紫外線による老化から守ります。
緑色が濃いものは味が良く苦味も強いようです。
空豆
空豆も旬のシーズンにしかお目にかかれない野菜。
カリウムや鉄、リンなどがバランスよく含まれています。
さやからお豆を出す作業もこの季節ならではないでしょうか。
しかし、さやから出すのが大変という方は、さっと洗ってそのままトースターや網の上で焼くこともできます。
さやの中で豆が蒸し焼き状態になり、ほっくりとした食感になりとても美味しいですよ。
さっと塩を振ればおやつやおつまみにもぴったりです。
モロヘイヤ
モロヘイヤはβ-カロテンがとても豊富で、なんとほうれん草の3倍あります。
カリウムをはじめとするミネラルやビタミンなどもずば抜けて多いのも特徴です。
トマト
真っ赤なトマトは体を冷やし、消化を良くし食欲を上げる働きもあります。
暑さに負けない体作りに欠かせない野菜です。
カリウムや鉄、マグネシウムなどのミネラルも豊富です。汗で失われた水分を補うにも最適です。
赤い色素成分のリコピンやβ-カロテンは抗酸化作用があります。
同じトマトでも実はミニトマトの方がリコピンやβ-カロテンが豊富で普通のトマトの2.5倍もあります。
油との相性が良いので一緒に食べることで吸収率がアップします。
おすすめはオリーブオイルと塩、バジル粉をさっと振るだけのオードブル。
ちょっとおしゃれに簡単に完成します。
きゅうり
えぐみやアクなどもなく子供から大人まで好まれるきゅうり。
カリウムも豊富で夏に適した野菜です。
サラダや冷やし中華などのトッピングなどにも必須な野菜ですよね。
夏の体のむくみやだるさをきゅうりの持つ利尿作用が役立ちます。
きゅうりは体を冷やす作用があり暑い日にはぴったり。
しかし内臓を冷やしやすいので食べすぎは気をつけましょう。
茄子
体を冷やす作用のある茄子は夏の暑さをやわらげる食材です。
茄子の紫色の皮に含まれるポリフェノールが活性酸素の働きを抑制し体を守ります。
油と組み合わせることで吸収率が上がります。
炒め料理の麻婆茄子や揚げて作る茄子の天麩羅などがおすすめです。
夏野菜は火照った体を冷やしたり、汗で失われるカリウムも豊富なものが多いのが特徴です。
旬の野菜を食卓に取り入れ、元気に夏を乗り切りましょう。
参考文献
・旬の野菜栄養事典(エクスナレッジ)
・薬膳・漢方検定公式テキスト(実業之日本社)
・栄養の基本がまるごとわかる事典
・日本食品標準成分表2015年版(七訂)(女子栄養大学出版部)
・論文 辻村卓、新井京子、小松原晴美、笠井孝正、冷凍あるいは凍結乾燥処理した野菜・果実中のビタミン含有量に及ぼす通年貯蔵の影響。日本食品低温保存学会誌。Vol23、No.1(
1997)
Aricofood株式会社代表取締役 管理栄養士。レシピ開発、セミナー、コラム執筆、メディア出演等。40代からのダイエットサポート、セッションなど女性の美に特化し行っている。著書に「ショウガ甘酒食べる健康法」(日本文芸社)「おなかぺったんこ腸筋レシピ」(リピックブック)。