提供元:京都市産業観光局農林振興室農林企画課
みなさんこんにちは。システムエンジニア兼ライターの北條怜子です。
出身が京都府ということもあり、特にお正月の時には「えびいも」や「くわい」など、京都府の伝統野菜にはお世話になっています。今回は、そんな幼少期から慣れ親しんできた京都府の伝統野菜について、色々と調べてみました!
明治以前に導入されていることが条件の一つ
地域によって伝統野菜の定義は様々ですが、京都府において伝統野菜として認められるためには、「明治以前に導入されたものである」必要があります。その種類は全部で37品目あり、現存している種類が35品目、絶滅してしまったものが2品目とのこと。
京都府の伝統野菜というと、「京野菜」という言葉が浮かぶ方も多いかもしれませんが、「京野菜」には具体的な定義がなく、伝統野菜も含めて府内で採れた野菜は全て「京野菜」と呼ばれているそうです。そのため、「京野菜」の一部に京都府の伝統野菜が含まれているという位置づけになります。
京都市情報館 京の伝統野菜について:https://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/page/0000029058.html(2019/07/30 閲覧)
機能性成分が豊富
提供元:京都市産業観光局農林振興室農林企画課
京都府の伝統野菜は、一般の野菜と比べて形や風味、彩りが特徴的なものが多いとされています。そういった特徴に着目して、京都府立大学や農林水産技術センターで研究を行ったところ、最近では健康維持に寄与する機能性成分が一般の野菜に比べてより多く含まれていることが明らかになっているそうです。
例えば、「堀川ごぼう」は、生活習慣病や老化の原因となる活性酸素の働きを抑制してくれる「抗酸化性」が一般のごぼうに比べて高く、「桂うり」には、発ガン抑制作用のある成分が含まれていることが報告されています。
京都府公式HP 京の伝統野菜・京のブランド産品:https://www.pref.kyoto.jp/brand/brand1.html(2019/07/30 閲覧)
京野菜機能性net事務局HP:http://kenko-kyoyasai.jp/(2019/07/30 閲覧)
今が旬の京都府の伝統野菜
賀茂茄子
提供元:京都市産業観光局農林振興室農林企画課
あるアンケート調査では、代表的な京野菜1位に選ばれたほど京都の伝統野菜の中でも有名です。
旬
7〜9月
特徴
直径12〜15cmの大きな球状の茄子で、黒に近い濃い紫色です。1個が大体260〜300g程度。
皮が柔らかく肉質が緻密で、他の茄子に比べて油を吸いすぎないため、揚げ物に適しています。
美味しい食べ方
田楽。揚げ出し。その他揚げ物、煮物。
特に田楽は実が本当にとろっとろで、味もすごくしっかりしていて皮まで美味しいので、一度は味わってみていただきたいなと感じる一品です。
豆知識
名前の通り、元々は京都市北区の賀茂という地域にて栽培されており、一時期までは門外不出となっていたそうです。現在では、京都府全域で栽培されています。「水食いの肥料食い」と呼ばれるほど、栽培にとても手のかかる茄子と言われています。
伏見とうがらし
提供元:京都市産業観光局農林振興室農林企画課
食物繊維、カルシウム、ビタミンが豊富な夏バテ解消野菜です。
旬
6〜11月
特徴
とうがらしの中では最も細長い品種で、長さは10〜15cmほどです。紐のような形状が特徴的で、「ヒモ」や「ヒモトウ」などとも呼ばれています。果肉は柔らかく、独特の爽やかな風味と甘さがあります。
美味しい食べ方
網焼き。天ぷら。
焼いて醤油と鰹節をかけて食べるのが、昔ながらの京都民の食べ方とされています。実家でもよくこの食べ方をしていました。辛くないので子どもでもパクパク食べられますし、大人のお酒のアテとしてもピッタリです。また、葉の部分も佃煮にして食べられています。
豆知識
伏見とうがらしは、江戸時代からのブランドとされているほど、京都市伏見区付近でかなり古くから栽培されていた品種です。昔の書物には、伏見稲荷大社の辺りで採れるものが有名と記されているとのこと。現在では、府内の各地で栽培されています。
桂うり
提供元:京都市産業観光局農林振興室農林企画課
機能性成分が注目を集めています。
旬
6〜8月
特徴
白うりの一種で、重さは約4キロ前後とかなり大きなうりです。
果皮は緑白色で肉質は柔らかく緻密、完熟するとマスクメロンのような芳香があります。
美味しい食べ方
奈良漬。ぬか漬。酢の物。
漬物にしても形が崩れにくいことから、主に未熟果を奈良漬の原料として使用されています。
豆知識
桂うりは、京都市西京区の桂地区で江戸時代から栽培されていましたが、戦時中の植え付け中止や宅地開発などの影響で、十数年前まではたった一軒の農家さんだけが生産者だったとのこと。最近では、京都府立桂高校の農業科の生徒さんたちが桂瓜復活のために、スイーツの開発など様々な活動をされており、成功しつつあるそうです。
株式会社まつの公式HP 桂うりの普及へ励む高校生の挑戦:https://www.matuno.co.jp/vegeful/category/journal02/20024.html
株式会社 淡交社 書籍「もっと知りたい京野菜」(上田耕司 著)
JA京都公式HP 京野菜:https://jakyoto.com/kyoyasai/
公益社団法人 京のふるさと産品協会公式HP:http://kyoyasai.kyoto/
京都府公式HP 京の伝統野菜・京のブランド産品:https://www.pref.kyoto.jp/brand/brand1.html
マイナビ農業 京野菜の代表的な種類とは:https://agri.mynavi.jp/2017_10_22_9051/#toc-4
(上記全て2019/07/30 閲覧)
オススメの調理法については、クックパッドにて京都府公式キッチンが開設されていますので、ぜひご覧になってみてください。
京野菜が食べられる都内のお店
和味 りん
住所:東京都新宿区新宿5-17-6 中田ビルB1
アクセス:各線「新宿三丁目」駅から徒歩すぐ
TEL:03-3205-7252
営業時間:[月〜土]11:30~14:00<ランチ> (LO: 13:45)
17:30~22:30 (LO: 22:00)
HP:https://www.wami-rin.com/
日本料理のお店です。聖護院かぶのかにあんかけ、九条ねぎと京水菜の卵とじ、京野菜の炊き合わせなどが味わえます。そして、HPのトップの調理風景の動画がものすごく美味しそうです。
京仏伊 旬菜料理 GREEN SPOT
住所:東京都渋谷区代々木1-21-12 ヤマノ25ビル1F
アクセス:JR「代々木」駅西口より徒歩3分
TEL:03-3379-0013
営業時間:[月〜金]11:30~<ランチ> (LO: 15:00)
17:30~(LO: 23:00)
HP:http://www.green-spot.jp/index.html
旬の京野菜を使った、和食、フレンチ、イタリアンを融合させたお店とのこと。焼き京野菜、海老と伏見とうがらしのアヒージョ、京野菜のピッツァなどが味わえます。
京風フレンチバル やまや
住所:東京都目黒区鷹番2-19-5 フローラルアーツ2F
アクセス:東急東横線「学芸大学」駅東口より徒歩2分
TEL:03-6452-4263
営業時間:[月〜金、祝前日]17:00~翌3:00 (LO: 翌2:00)
[土、日、祝日] 16:00~翌3:00(LO: 翌2:00)
HP:https://yamaya-gakugeidaigaku.owst.jp/
比較的リーズナブルなお値段で京野菜が楽しめるお店です。賀茂茄子とグリュイエールチーズのオーブン焼き、九条ねぎを使った釜揚げしらすのサラダなどが味わえます。予約限定でランチ営業もされているそうです。
上記に加えて、現在京都と東京にて「京のおもてなしー2019・夏ー」(2019年8月31日まで)というイベントが開催されており、京都府産の食材にこだわったお料理が食べられるコースなどが期間限定で用意されています。詳細は以下のリンクをご覧ください。
http://kenko-kyoyasai.jp/omotenashi/tokyo.html
まとめ
提供元:(公社)京のふるさと産品協会
伝統野菜というと、ずっと昔から存在している分他の野菜よりも色んな情報が集まっているはず、と思っていたのですが、機能性成分が豊富だと明らかになったのも比較的最近とのことでした。
独特の味わいや歴史だけでなく、栄養など様々な面からも注目されている京都府の伝統野菜。
皆さんも機会がありましたら、ぜひ味わってみてください。
有機JAS認証取得。「ビレッジつくだファーム」さんの京野菜セット
システムエンジニア兼ライター。農学部でトマトの栽培を4年間研究したのち、IT×農業で何かできないかとシステムエンジニアに転向しました。食べること、作ること、そして人と関わることが大好きです。読んだ人の栄養になる。を目指して言葉を発信していきたいです。