かぶとは

かぶはキャベツやブロッコリーなどと同じくアブラナ科に属する野菜。春の七草の1つである「すずな」とも呼ばれ、「かぶら」、「かぶな」などいくつかの呼び名があります。

かぶは主に白い部分を食べますが、これは「実」ではなく「根」が肥大したもの。大根やにんじんも同じです。

かぶの旬は、春と秋の年に2回。

一般的には、春に採れるかぶは皮までやわらかく、みずみずしい食感で生食向きです。一方、秋のかぶは実が詰まっていて甘みが強いのが特徴。煮物など加熱調理に適していると言われます。

かぶの種類

かぶが日本に伝わったと言われているのが弥生時代。長い年月をかけて日本各地で固有品種が誕生し、現在の品種数は約80に及びます。

大きさによって、小カブ、中カブ、大カブに分けられるほか、白カブ、赤カブなど色によっても分類されます。

ここでは代表的な品種を3つご紹介。

・金町かぶ

小カブの代表品種。東京葛飾区金町で生まれ、現在一般的に市場に流通している小カブと言えばこれ。現在の主な生産地は千葉県です。根は真っ白で、肉質はやわらかく甘みもあります。

・天王寺かぶ

中カブの代表品種。大阪市天王寺付近で生まれた扁球形の白いかぶです。葉や茎までやわらかく甘みがあるのが特徴。大阪だけでなく、西日本で広く栽培されています。

・聖護院かぶ

大カブの一種で、大きいものは5kgになることも。京都の伝統野菜の1つで、千枚漬けに使われます。繊維が少なく甘みがあるのが特徴です。

かぶの保存方法

新鮮なかぶを買ってきても、1回の料理で使い切れないこともあります。そんなときは、適切な方法で保存しておきましょう。

葉がついていると根（白くて丸い部分）の水分を吸ってしまうため、買ってきたらすぐに根と葉を切り離しましょう。

根の部分はそのままポリ袋へ、葉は湿らせたキッチンペーパーに包んでからポリ袋に入れて野菜室で保存します。

葉は軽くゆでて水分をしっかりと絞ってから、小分けにして冷凍保存しておくとちょっとした料理の彩りにも使えて便利です。

かぶを使ったレシピ3選

スーパーで手に入りやすい小かぶを使ったレシピをご紹介します。葉がついている場合はぜひ使ってみてください。

かぶの漬物

かぶを切って調味料と混ぜるだけ。ごはんが進みますよ。

〈材料〉作りやすい分量

・小かぶ…3個（約400g）

・塩…10g

・A 砂糖…大さじ1と1/2

・A 酢…大さじ2

・A だし昆布…5cm

・A 輪切り唐辛子…小さじ½

〈作り方〉

①　かぶはよく洗って水気を切り、半分に切って皮ごと2〜3mm幅の薄切りにする。葉は3〜4cmの長さに切る。

②　かぶをボウルに入れて塩をふりかけ、軽く混ぜ合わせて全体に行き渡らせる。

③　保存容器にかぶとAの材料を入れて混ぜ合わせ、冷蔵庫で保存する。冷蔵庫で2時間以上寝かせると、味がよくなじみます。

かぶと豚肉のにんにく味噌炒め

かぶと豚肉は相性バツグン。コクと旨味がたっぷりで、食べ応えのある一品です。

〈材料〉2人分

・小かぶ…2個

・薄切り豚バラ肉…80g

・にんにく…小さめ1片

・サラダ油…大さじ½

・酒…大さじ2

・A 味噌…大さじ1

・A みりん…小さじ1

・A 砂糖… 小さじ½

〈作り方〉

①　かぶはよく洗って根と葉を切り分け、皮ごと8等分のいちょう切りにする。葉は3〜4cmの長さに切る。豚肉は5cm幅に切る。にんにくは薄くスライスする。Aの調味料を混ぜ合わせておく。

②　フライパンにサラダ油とにんにくを入れて火にかけ、香りが立ったら豚肉を加えて炒める。豚肉に焼き色がついたら、一旦皿に取り出す。

③　フライパンにかぶを入れ、酒を加えてふたをし、弱火で4〜5分蒸し焼きにする。

④　ふたをとって豚肉とかぶの葉を入れ、Aの調味料を加えて混ぜ合わせる。葉がしんなりしたら火を止める。

かぶの葉とじゃこ炒め

かぶの葉が余ったときはこのレシピが役に立ちます。白ごはんにかけて食べたり、おにぎりの具材にもおすすめです。

〈材料〉2人分

・かぶの葉…100g

・ちりめんじゃこ…15g

・A かつお節…2g

・A ごま油…大さじ1

・A 酒…小さじ2

・A 砂糖…小さじ1

・A 醤油…小さじ2

・白いりごま…小さじ1

〈作り方〉

①　かぶの葉を水で洗い、しっかりと水気を切ってから粗みじん切りにする。

②　中火に熱したフライパンにごま油を入れ、かぶの葉を3分程炒める。

③　ちりめんじゃことAの材料をすべて入れ、汁気がなくなるまで炒める。

④　火を止めて、白いりごまを入れて混ぜる。

まとめ

かぶは、漬物、炒め物、煮物などさまざまな料理に使える万能な野菜です。

調理の仕方によって違った食感や甘みを味わえます。

葉の部分も活用すると、レパートリーがさらに広がりますね。ご紹介したレシピを参考にして、ぜひかぶを普段の料理に取り入れてみてください。

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JURI

フリーランスの食ライター。
ニューヨーク大学大学院 Food Studies学部にて食文化や食育について学ぶ。卒業後は現地でアメリカ食品業界のリサーチ業務に従事。現在は、世界の食トレンドをテーマにwebコラムを執筆するなどライターとして活動中。また野菜嫌いの子供を持つ母として、野菜を美味しく食べる方法を日々研究している。