管理栄養士で節約美容料理研究家の金子あきこです。

 

野菜を食べる習慣がある人は、上手に野菜を組み合わせる食べ方ができます。子供の内から習慣づけるのが良いですが、野菜の積極的に食べる習慣がない家庭に育った場合、後から習慣付けるのはなかなか難しいものです。

 

しかし野菜が体にどんな良い働きがあるのかを知ればきっと野菜を食べたくなることでしょう。そこで今回は、「野菜は食べる必要があるのか、どうなのか」という根本的な問題を考えていきたいと思います。

 

 

 

野菜には成長に必要な栄養素が詰まっているからです。

 

野菜は子供の成長にとても重要な役割を持ちます。骨や筋肉、細胞レベルで発達が著しい時期ですので、野菜から栄養素を取り入れる必要があるからです。日本人の栄養素の基準が書かれている、厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015年版」によると、特にカルシウムや鉄分は大人よりも思春期の方が多く取る必要があります。

 

カルシウムは牛乳や干しエビなど動物性の食品から摂取するイメージですが、野菜からも摂れます。大根の葉や水菜、ケール、小松菜などに多く含まれています。もちろん他の野菜にも微量に含まれています。

 

レバーやあさり水煮などに多く含まれています鉄分ですが、野菜ではつまみ菜やえだまめ、小松菜、ほうれん草、かぶの葉に多く含まれています。

 

とはいえ、一種類の野菜だけ集中して食べてもダメ。例えば野菜サラダにはいろんな種類の野菜が入っています。野菜には微量ずつ含まれている栄養素もたくさんあり、色々な野菜を好き嫌いなく食べ合わせることで、全体として不足を補うことができるのです。

 

ただ子供によっては野菜を好まないこともあるでしょう。そんなとき無理強いは禁物。年齢が上がるごとに食べられるものも増えてくることでしょう。また「新鮮な野菜なら食べられる」なんてこともありますから、焦らず見守ることが大切です。

 

野菜に含まれる栄養素には、代謝を促進する効果が期待できます。

 

野菜に含まれるビタミンやミネラルには、炭水化物や脂質などの代謝に関わるものも含まれています。「ちょっとおなか周りが出てきたな」という場合は、もしかしたら野菜が不足し、代謝がうまくいっていないかもしれません。

 

また男性に多くみられる尿酸値の高い方も野菜が不足している可能性があります。本来尿酸の7割は尿から排出されます。尿酸は酸性の液体に溶けにくくなります。尿が酸性になると尿酸が溶けだしにくくなるというわけです。野菜や海藻などを積極的に食べることで尿がアルカリ性に近づき、尿酸も溶けだしやすくなります。

 

 

野菜は、ビタミンCと食物繊維の摂取源になります。

 

ビタミンCと食物繊維は野菜などに豊富に含まれています。ビタミンCはじゃがいもやピーマン、レモンなどの柑橘系などに多く含まれる成分です。コラーゲンの合成を助け、抗酸化作用があり老化予防におすすめです。そのほか、鉄の吸収率を上げる働きもあります。

 

食物繊維は腸内環境を整え、血糖値の上昇を抑制、コレステロールの排泄などに働き、免疫力や健康維持に役立ちます。

 

 

野菜の皮にも秘密があります。

 

野菜などの色素や香り、辛味、ねばねばなどの成分はファイトケミカルという成分で、植物が紫外線や昆虫などの有害なものから体を守るために作り出されたものです。必須の栄養素ではないものの抗酸化作用など人にとって良い影響をもたらすとされています。皮に色が付いている野菜は皮ごと食べるといいですね。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

 

野菜を食べることは子供から大人まで大切ということを知っていただけたかと思います。

 

しかし、野菜をサラダだけで摂るとレタスやきゅうり、トマトなど生野菜が中心になり、野菜の種類も限られてしまいます。お浸しや煮物、汁ものなど加熱する食べ方を取り入れるなど、調理法を工夫することで、小松菜などの葉物、ごぼうなどの根菜、南瓜など野菜の種類も豊富になりメニューのバリエーション増えます。

 

とはいえ、料理する時間がないという方も多いと思います。我が家は味噌汁で野菜を食べる習慣を付けました。ですから今では、食事の時には野菜の入ったお味噌汁を子供自ら欲します。野菜のたっぷり入った味噌汁を作り置きして置けばとてもラクチンです。

 

日々の食卓に、少しずつでも旬の野菜を取り入れていきましょう。

 

参照元: ・栄養学の基本がまるごとわかる事典(西東社) ・栄養学の教科書(新星出版) ・痛風の治療と食事療法(日東書院)

 

 

 

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