管理栄養士で節約美容料理研究家の金子あきこです。

 

節約美容料理研究家の私にとって、干し野菜はとても重宝します。野菜が高騰したときなどに、高い野菜を通常通り買ってしまっては節約になりません。

 

そのような時は価格が安定している切干大根などの干し野菜をうまく利用します。干した野菜は栄養価も上がり美容にも良い効果が期待できます。

 

今回は、干し野菜に適した野菜とその戻し方、美味しい食べ方をご紹介します。

 

切干大根

 

干した大根は乾燥して縮んでいるため、「生の大根と比較して、本当のところどうなの?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますが、大根は千切りして天日に干すことで栄養価がとても高くなります

 

まず注目したいのが腸内環境を整えお通じを良くしてくれる食物繊維の量です。生の大根と比べ20倍の量になるとも言われています。

 

例えば小鉢1つ煮物を作ったとしましょう。

 

大根50gと切干大根10gで比較すると大根は0.6g、切干大根は2.1gの食物繊維が摂れます。食物繊維は1日の女性で18gの目標量ですから切干大根の煮物だけで1日に必要な量の1/9量も摂取できることになります。

 

カルシウムやカリウムなども生の大根に比べると豊富です。

 

野菜が高騰している時は切干大根と油揚げ、つきこんにゃくや白滝と共に金平風や煮物を良く作ります。こんにゃくは通年価格が安定しているため、干し野菜に合わせて節約するにはもってこいのアイテムです。

 

戻し方はたっぷりの水に30分ほど漬けておきましょう。購入してから時間が経つと茶色っぽく変色することがあります。このような時は水を変えながら少し長め漬けるもしくは、水力弱めで流水するといいでしょう。

 

干し椎茸

 

生の椎茸を天日に干すことでエルゴステロールがビタミンDに変化します。ビタミンDはカルシウムやリンなど骨に必要な栄養素の吸収を促してくれるためとても大切な栄養素です。

 

ビタミンDは日に浴びることで皮膚で合成できるので、1日10~20分ほど日を浴びるといいのですが、あまり外に出ないという方はビタミンDが豊富な干し椎茸を食べると良いでしょう。

 

干し椎茸の戻し方は、5℃くらいの水に10時間漬けておきます。密閉できる容器などに入れて使いたい前日に冷蔵庫にしまっておくといいでしょう。急いでいるときは40℃以下のぬるま湯につけておくと早く戻ります。

 

旨味成分のグルタミン酸やグアニル酸が豊富なので、戻し汁は捨てずに煮物などに使うとより美味しく出来がります。

 

かんぴょう

 

かんぴょうは、ウリ科のゆうがおの果実をひも状にむいたものを天日に干して作ったものです。かんぴょうは、太巻きやかんぴょう巻きでおなじみですが、お味噌汁や卵とじ、酢の物など他の料理にも実は使い勝手がとても良いのです。

 

食物繊維やカルシウムも豊富なのでぜひ普段の食卓にも加えてほしい食材です。

 

かんぴょうを戻すときは水で洗い軽く塩を振りもみ洗いをし、たっぷりのお湯で茹でこぼします。それから煮物や和え物、炒め物などアレンジして使ってくださいね。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

 

干し野菜はご自宅で簡単にできます。ザルはもちろんのこと、干し野菜用のぶら下げるネットタイプのものなども売られています。虫が入らないようにチャックがついているものもあります。

 

しっかり干すことが難しい時も1日天日に当てるだけでも旨味が増し美味しくなります。この場合は生野菜と同じ日持ちと考え早めに食べて下さいね。

 

天日に干すことで、太陽熱により脱水し、さらに太陽光の紫外線により殺菌されます。とはいえ食材についている細菌は死滅しません。活動が停止した状態で水に戻せば細菌は活動を再開します。

 

水で戻した後は早めに調理していただきましょう

 

参考文献

・調理と理論(同文書院)

・料理の科学(SBクリエイティブ)

・旬の野菜の栄養事典(エクスナレッジ)

・栄養学の基本がまるごとわかる事典(西東社)

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