色や形、大きさまで様々な種類のある野菜、トマト。

 

生のまま食べるだけでなく、ケチャップやジュースなどの加工品としても人気の野菜です。

 

トマトを赤色にする色素「リコピン」は、強い抗酸化力があることでも有名ですよね。

 

そんなトマトを作り続けて10年目。今大人気のトマト農家さんに、トマトの魅力、そしておすすめの食べ方までをお聞きしました。

 

飯田農園代表:飯田実さん

名古屋市唯一の有機栽培トマト農家。名古屋の【有機JAS認証農園】、さらにはトマトアーティスト協会品評会金賞を受賞した、幻の高糖度ミニトマト「miuトマト」を生産している。

 

甘いだけじゃない!miuトマトの魅力とは

 

ーートマトを一粒食べるとびっくり。

 

しっかりとした甘みのあとにほんのりと出汁のような旨味が広がります。

 

通常のトマトと後味が違った気がするのですが…これには何か秘密があるのですか?

 

飯田実さん(以下、飯田(敬称略)):

そうです。飯田農園で使用する肥料は、旨味を活かした特殊な米ぬか肥料です。

 

静岡県の漁連から獲れるカツオ。食品メーカーで出る昆布の出汁殻。

 

これらを発酵させ米ぬかに成分を吸収させることで、その成分をトマトに届けることができるのです(=ぼかし肥料)。

 

ーーそうなんですね。

 

飯田:トマトの実にも、元々グルタミン酸などの旨味成分が含まれています。

 

しかし、独自でグルタミン酸量を計測したところ、miuトマトには一般的なトマトの約3倍もの旨味成分が含まれていることがわかりました。

 

ーー3倍もですか?!それは驚きました。これがトマトの味の違いに繋がっているのですね。

 

▲海外では、トマトは加工されソース等の調味料として使用されることが多く、料理のうまみ出汁として活用されています。魚介や肉類の旨味成分(イノシン酸)との旨味の相乗効果も期待されます。

 

miuトマトの秘密:「有機肥料×袋培地栽培」とは?

ーー飯田農園さんでは、先ほどの米ぬか肥料を用いて、袋培地栽培という方法でトマトを育てているとお聞きしました。

 

飯田:はい、そうです。miuトマトの糖度は8.5度以上を保っており、旬を迎える2~6月は糖度が11度以上にもなります。

 

そんな甘いトマトを生み出す秘密が、この栽培方法です。

 

ーー米ぬか肥料は、有機物を原料に作られた有機肥料ですよね。

 

化学肥料は、リン鉱石などの無機物を原料に作られていると聞いたことがあるのですが…。

 

そもそも栽培するときにはどんな違いがあるのですか?

 

飯田:高栄養分の化学肥料を土に与えると、使われなかった栄養分が土に蓄積されます。

 

これは土が硬くなる原因となり、同じ土で作物を育てることが難しくなるのです。

 

一方、有機肥料は自然由来の必要な栄養素しか含まれない為、土に負荷をかけずに作物を育てることができます。

 

農家を始めて10年になりますが、一度も土を変えることなくトマトを育て続けることができています。

 

 

ーーなるほど!ありがとうございます。では、この米ぬか肥料を用いて具体的にどのように栽培されているのですか?

 

飯田:通常、作物を育てるときは地面に苗を植えますが、飯田農園では袋に土を入れ、そこで苗を育てます。

 

根は、限られた空間でしか成長できないというストレスが与えられ、より栄養分を蓄えようとするのです。

 

また、厳格な水分調整によって余分な水分の吸収を防ぎ、引き締まった実を作ることができます。

 

--根にストレスを与えることで、更に栄養分が蓄えられ、甘味がギュッと濃縮された果実が完成するのですね!よくわかりました。

 

ですが、この栽培方法は地面で栽培する方法と比べて難しさはあるのですか?

 

飯田:そうですね。袋培地栽培では、地表の袋に土をつめて苗を育てます。

 

その為、根が外気の影響を受けやすく、温度調整が重要になります。

 

気温が高くなると根から栄養分を吸収しづらくなるため、日中は遮光カーテンなども活用しています。

 

トマト農家:飯田さん直伝!トマトの美味しい食べ方

トマトは生で食べるのも美味しいのですが、せっかくなら色々な料理に使ってみたいですよね。

そこで、飯田さんおススメの食べ方をお聞きし、管理栄養士兼フードコーディネータの筆者・麻友美がレシピにしました。

 

トマトとバターベーコンの炊き込みご飯

 

和風なイメージのある炊き込みご飯ですが、今回はトマトを使った洋風炊き込みご飯。

 

加熱することによって更に甘みを増したトマトは、バターの香り・ベーコンと相性抜群!間違いなしの美味しさです。

 

~材料(2合分)~

・米    2合

・トマト  お好みの量(今回は15粒使用)

・ベーコン 1パック(ハーフタイプ約40g)使用

・コンソメ顆粒 大さじ1

・バター  10g

・塩コショウ 少々

 

~作り方〜

1. 米は洗って炊飯器の内釜にいれ、白米を炊く時より少な目の水を入れる。(目盛り線の少し下)

2.ベーコンは食べやすい大きさに切る。トマトは洗ってヘタを取る。

3.①の内釜にベーコン・トマトを並べて入れ、バター・コンソメ・塩コショウも加える。

4.炊飯スイッチを押し、出来上がりを待つだけです!

 

▲こちらは半量の1合で作った場合の写真です

 

トマトの栄養素「リコピン」が豊富なトマトジュース

 

トマトの赤色は「リコピン」という栄養成分。

強い抗酸化力をもち、体の不調を整えてくれる大注目の栄養素です。

このリコピンは、生野菜よりも、加工されることでより身体に吸収されやすくなります。

 

 

トマトをすりつぶすことで、細胞を覆う膜(細胞壁)が壊れやすくなる為、リコピン等の栄養成分の吸収率は約3.8倍も上がると言われています。

 

飯田農園さんでもmiuトマトを加工し、リコピンを効率よく摂れる「トマトジュース」を製造されています。

 

実際に筆者が飲んでみました。

・「赤」タイプ

飲んでびっくり。砂糖不使用でこの甘さ?!と驚きが。トマト独自のエグ味が全くなく、ゴクゴク飲めちゃいます。

 

・「金」タイプ

一般的なトマトジュースに比べ、さらりとした口当たりでとっても飲みやすいタイプ。トマトの旨味を贅沢に感じられました。

 

トマトの甘みが1番強い時期に、その旨味をぎゅっと閉じ込めたジュース。

 

余分なエグ味や渋みを出さないようにするため、全て絞り切るのではなく荒く絞られています。

 

美味しいところだけを届けたい飯田さんの思いがこもっています。

 

出荷量減少のピンチを”チャンス”に変えた「トマトの加工品」

 

通販や直売所だけでなく、百貨店やイベントなどでも販売されているmiuトマト。しかし、コロナウイルスの蔓延に伴い、出荷量は減少してしまいます。

 

この余ってしまったトマトを無駄にしないためどうするか…。

 

考え抜いた結果、トマトを乾燥させ、ドライトマトに加工して販売することを決意。今では、食べる手が止まらないほど美味しいと大絶賛の商品になっています。

 

ドライトマトはビールや焼酎、ワインなどのお酒のおつまみにもぴったり!大人のグミみたいな食感が特徴的です。

 

トマトに込めた思い

「子供に安全な食べ物を届けたい」その思いから脱サラし、トマト農家への道を歩み始めた飯田さん。

 

今ではその美味しさに惹かれ、全国各地にmiuトマトファンがおられるほどの大人気になりました。

 

「自分自身が大切な人のために作ったものを、次は消費者の皆さんの大切な人に届けてほしい」そうおっしゃる飯田さん。

 

Miuトマトを購入してくださった皆様の声を聞くことが何よりも嬉しいと、とても素敵な笑顔で答えてくださいました。

 

今回取材をさせていただき、トマトの美味しさももちろんですが、飯田さんの温かい愛情がこもっているからこそ、こんなに沢山の人達から愛されているのだと実感できました。

 

筆者自身も飯田農園さんのファンの1人として、これからも応援していきます。

 

 

 

飯田農園さんのmiuトマトはこちら

 

 

参考文献

「マイナビ農業」

https://agri.mynavi.jp/2019_08_28_84995/

 

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