毎日元気に、健康で過ごすこと。」

 

今までの日常が当たり前じゃなくなり、新たな生活へと変化していく中、その大切さに改めて気づいた人も多いのではないでしょうか。この記事を書く筆者もその一人です。

 

食事と体の調子は密接に関わっており、食事の内容で体調が左右されると言っても過言ではありません。

 

ご家庭で、自分自身で料理をする機会も増えた今だからこそ、ほんの少しだけ、食事に含まれる栄養素の部分も考えてみませんか。

 

この記事では、病原菌などから体を守る「免疫」のしくみ、そしてそれを支える栄養素についてを、管理栄養士・フードコーディネーターの麻友美が簡単に解説します。

 

免疫力とは?

 

そもそも、免疫とはいったい何なのかご存じですか?

 

免疫とは、体内に侵入したウイルス等の異物を発見し、自身を傷つけずに異物のみを攻撃し、排除する身体の仕組みのことです。

 

この仕組みによって、私たちの身体は外敵から守られ、健康が維持されています。そんな免疫には、大きく分けて2つの機能が存在します。

 

その1 自然免疫

自然免疫とは、生まれた時から私たちに備わっている免疫機能のことです。

 

身体を外敵から守るために大切なのは、まず体内に異物を入れないこと。そんな体内と体外の壁の役割をしてくれるのが体全体を覆う皮膚などのバリア機能です。

 

そのバリアを乗り越え、体内に侵入した病原体を素早く退治する役割が、この自然免疫。

 

これには、主にマクロファージという細胞が関わっています。この細胞は病原体などの異物を発見すると、食べて体内に取り込むことで排除してくれます。

 

このバリア機能と貪食作用によって、身体の大まかな免疫機能が維持されています。

 

その2 獲得免疫

獲得免疫とは、生活をする中で病原体などに感染し、これによって新たに得る免疫機能の事です。

 

生まれながら備わっている免疫(自然免疫)は、全ての異物に対して反応するのに対し、獲得免疫は、特定の病原体に対してのみ反応する免疫機能になっています。

 

獲得免疫に関与する細胞の働きは主に3つあります。

 

・特定の病原体を見つけ、感染細胞を破壊する。
・抗体を生産し、病原体を攻撃する。
・病原体の情報を記憶し、次回侵入してきた時、素早く抗体を生産できる体制を作る。

 

このように、体内に侵入してきた外敵は、体内の免疫機能によって排除され、身体の健康が守られているのです。

 

免疫力と食事の関係性とは

この免疫力を最大限に発揮するためには、食事で必要な栄養素をしっかりと摂ることが大切です。

 

免疫機能は、体内の様々な成分が関連し、総合的に作用しあうことで成り立っており、数多くの栄養素が関与しています。

 

そのため、ある特定の栄養素を意識的に摂るのではなく、数種類の食材を組み合わせ、バランスのいい食事を食べることが大切です。その中でも、特に重要な役割をする栄養素をいくつか紹介します。

 

タンパク質

 

タンパク質は身体の源になる細胞の材料になる栄養素です。つまり、免疫機能で活躍する細胞を生み出すとても重要な役割を持ちます。

 

食材では、肉類・魚介類・卵類・乳類・豆類などに多く含まれています。

 

【一日の摂取推奨量…成人男性は一日60g、成人女性は一日50g】

 

~食材別目安含有量~
・鶏胸肉  (100g) 21.3g ・鯖(100g) 23.0g  ・卵(1個60g) 7.4g
・豚ロース肉(100g) 19.3g ・木綿豆腐(100g)7g ・牛乳(1杯200ml) 6.6g

 

また、体内に吸収されたタンパク質は、体内に吸収しやすいアミノ酸という物質に分解されます。

 

このたんぱく質よりできるアミノ酸は20種類存在し、免疫機能を活性化させる働きを持つものもあるといわれています。

 

ビタミンA

 

ビタミンAは、視覚や皮膚・粘膜上皮を正常に保つ機能や、細胞増殖をサポートする働きを持つ栄養素です。

 

特に免疫系では、口などから侵入してきた物質に対する門番(吸収もしくは排除する)の役割を担う腸管において活躍し、抗体産生の手助け等をおこないます。

 

ビタミンAは脂溶性ビタミンの仲間で、油に溶けやすい性質を持ち、色の濃い野菜(緑黄色野菜)に多く含まれています。

 

【一日の摂取推奨量…成人男性は一日850~900μg、成人女性は一日650~700μg】

 

~食材別目安含有量(レチノール)~
・西洋南瓜(100g) 3900μg … 煮物用1切れ(約30g)1170μg
・人参(100g)   6700μg … 乱切り1切れ(約15g)1005μg
・ほうれん草(100g)4200μg … 1茎(約20g)     840μg

 

ビタミンE

 

ビタミンEは、抗酸化作用を持ち、免疫細胞の働きやすい環境にする働きを持つ栄養素です。

 

また、抗体産生に関わる細胞の機能を促進する働きがあり、免疫機能を陰で支えてくれます

 

ビタミンEも、脂溶性ビタミンの仲間であり、油と相性が良い性質です。

 

【一日の摂取推奨量…成人男性は一日6.5mg、成人女性は一日6.0mg】

 

~食材別目安含有量(α-トコフェロール)~
・赤パプリカ(100g)  4.3mg …  1/4個(30g)1.3mg
・アーモンド(100g) 30.3mg …  5粒(5g)  1.5mg
・たらこ  (100g)  7.0mg  … 1本(30g) 2.1mg

 

ビタミンC

 

ビタミンCは、コラーゲンの生合成だけでなく、発癌性物質の生成を抑える働き、更には抗酸化作用等も持ち、様々な働きに関与する栄養素です。

 

また免疫系では、感染細胞を破壊する働きの手助けをする役割も持っています。

 

そんなビタミンCは、水溶性ビタミンの仲間。ビタミンCと聞くとレモンなどの果物を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

 

しかし、この栄養素は野菜・果物に加え、芋類にも豊富に含まれており、効率よくビタミンCを摂取するには芋類もお勧めです。

 

その理由は大きく2つあり、(1)芋類に含まれるビタミンCは熱に強い。(デンプンに保護されている為)、(2)重量があるため、一度の食事で量を摂りやすいという性質がある為です。

 

野菜や果物等から摂取する場合は、水に溶けやすく熱に弱い性質がある為、さっと洗って生でいただくのが最適です。

 

【一日の摂取推奨量…成人男性・女性共に一日100mg】

 

~食材別目安含有量~
・ブロッコリー(100g) 54mg  … 4切れ(60g)32.4mg
・赤パプリカ(100g)  170mg … 1/2個(60g)102mg
・キウイ(100g) 140mg … 1個(85g) 119mg
・じゃがいも(100g) 28mg … 1個(150g)42mg   

 

まとめ

 

いかがだったでしょうか。普段何気なく食べている食材には、様々な栄養素が含まれています。

 

晩ご飯のおかずに、人参やほうれん草を追加してみる。デザートに果物を食べてみる。ほんの少しのできることが積み重なり、食事から体調を整えるという実感につながるはずです。

 

それらの栄養素が持つ役割を知り、バランスの良い食事を作るきっかけにしてみてください。

 

参考文献

・腸管免疫におけるビタミンAの役割 著:岩田 誠 2007 年 21 巻 4 号 p. 297-304

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jim/21/4/21_4_297/_pdf/-char/ja

・ビタミンE研究の進歩 著:浦野 四郎1995 年 31 巻 1 号 p. 27-31

https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruawpsj/31/1/31_KJ00002924256/_pdf/-char/ja

・成人病とビタミンC 著:村田 晃成 Vitamins (Japan ),68(11),653−659 (1994)https://www.jstage.jst.go.jp/article/vso/68/11/68_KJ00001708826/_pdf/-char/ja

・七訂日本食品標準成分表 日本人の食事摂取基準

 

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