パセリの種類について
パセリはヨーロッパ中南部から北アフリカにかけての地中海沿岸が原産地のセリ科の植物です。
古代エジプトやギリシャ時代より料理に使われており、9世紀頃にフランスへ伝わり、その後イギリスやドイツなどにも浸透し、移民と共にアメリカにも広まりました。
煮込み料理に入れて香りとコクを加えたり、肉料理のにおい消しに使うなど、昔からヨーロッパ、アメリカ料理では頻繁に使用されていました。
日本には18世紀ごろにオランダ経由で入ってきたので、和名では「オランダ芹」と言われています。
主要産地は平成30年の統計によると、長野県、千葉県、静岡県が生産量のトップ3となっています。
パセリの種類は主に2種類。
品種改良によって葉が縮れているものがよく使われ、カーリーパセリ、またはモスカール種とも呼ばれているものが、日本で一般的に「パセリ」と呼ばれています。
そして、このカーリーパセリは、最近日本でも出回るようになった、平葉のイタリアンパセリとは同じ同属別種です。
なお、イタリアでは、イタリアンパセリのみが使われています。
両者の違いは、カーリーパセリの方が香りが強く葉がしっかりしており、イタリアンパセリは優しい香りで葉が柔らかく、生食しやすいです。
お皿に飾るだけでない、パセリの使い方
パセリは、料理の付け合わせとしてお皿の片隅に乗せるだけのものではありません。
カーリーパセリは、香りが強く葉が固めで、食べづらいこともありますが、加熱すると香りが和らぎます。
カーリーパセリの葉を200℃くらいの油でさっと素揚げし、メイン料理にオイルごとかけると、フレーバーオイルとパリパリしたパセリの食感が楽しめます。
かき揚げにしてもおいしいです。
レバノン料理で、たっぷりのパセリのみじん切りを、トマトと玉ねぎ、ブルグル(挽き割り小麦)を、塩とレモン汁、オリーブオイルで和えた、「タブレ」というサラダがあります。
タブレは香りのお好みで、カーリーパセリでもイタリアンパセリでも良いです。
イタリアンパセリを生産されている、ふじた農園さんにパセリの使い方をお伺いしたところ、胡麻和えやオムレツ、ポテトサラダなどがおすすめとのことでした。
無駄にしないパセリの保存法
パセリの保存法は大きく3つに分かれます。
冷暗所で保存
新鮮なパセリなら、涼しい場所で水に挿して保存できます。
涼しい場所がない場合は、パセリを水に挿して上から袋をかぶせ、冷蔵庫で冷蔵保存してください。
冷凍保存
枝ごと密封袋に入れて冷凍するのもおすすめです。
葉をスープの浮き身やオムレツの卵液に加える時など、袋の上から軽く揉んでバラバラにしてそのまま料理に加えます。
枝も簡単に葉と分れますので、枝はスープのダシとして煮込み料理に使いましょう。
冷凍パセリは使う分だけ袋から直接振り入れて、すぐに冷凍庫にしまってください。
乾燥して保存
乾燥パセリは電子レンジで作れます。
洗って水気をよく切ったパセリの葉を摘んで、お皿の上にキッチンペーパーを敷いた上に乗せたら、ラップをせずに電子レンジで加熱します。
パリパリに乾いたら、粗熱を取り、密閉容器に入れて保存します。
パセリ大量消費のおすすめレシピ
一度にたくさん消費したい場合は、ペーストにすることをおすすめします。
パセリペースト
150ml1瓶分
パセリ 50g
にんにく 小1片
ローストアーモンド 15g
塩 小さじ1/4
オリーブオイル 大さじ6程度
【作り方】
1 パセリを枝ごとざく切りにして、皮を剥いたにんにく、ローストアーモンドと半量のオリーブオイルと一緒にブレンダーに入れて攪拌します。
2 ブレンダーがまわりやすいように、大さじ1ずつオリーブオイルを加えながら、全体が滑らかなペースト状になるまで、攪拌します。
3 清潔な瓶に入れて、ペーストがかぶる程度のオリーブオイル(分量外)を足して保存します。
パスタに和えるとパセリの香りをふんだんに楽しめます。
その他、グラタンのトッピングにしたり、焼いた肉や魚に塗って食べたり、さまざまな使い道があります。
まとめ
生で香りや風味を楽しめる他、冷凍しても乾燥しても、ペーストにしても保存できるパセリ。
お皿の彩りだけでなく、色々なお料理の風味付けに利用してみてくださいね。
また、今回取材にご協力いただいた「ふじた農園」さんの商品は、食べチョクからもお取り寄せいただけます。気になった方はぜひご確認ください。
参考
・JA茨城
http://www.ib.zennoh.or.jp/amore/crop/parsley.html#:~:text=%E3%83%91%E3%82%BB%E3%83%AA%E3%81%AE%E5%8E%9F%E7%94%A3%E5%9C%B0%E3%81%AF%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%91,%E3%81%AB%E3%82%82%E5%BA%83%E3%81%BE%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82
・東京農業大学
https://www.nodai.ac.jp/application/files/5116/0827/0054/20201215.pdf
・住友園芸
https://www.sc-engei.co.jp/cultivation/details/74.html?showtab=1
タイ、バンコクにて8年間、料理教室コーディネーターなどをしながら、世界各地で料理を学ぶ。
日本帰国後は、タイ料理教室を主宰しつつ、日本の美味しい農産物とアジア料理とのコラボレーション・イベントを企画運営するなど、日本のクオリティの高い食材と出会う活動を行う。また、一児の母としての経験も基に、子ども向け食育ワークショップなどの活動にも力を注ぐ。